使い方 · Microsoft「How to enable Wake on LAN」(KB 2776718)に記載されたWindows 7とWindows 10での既定のシャットダウン動作、対応する電源状態、および高速スタートアップの扱い(2026-09-21閲覧)

Wake on LANで起動しない理由:シャットダウンの「状態」が違う

離れた場所からPCを起こすWake on LANを設定したのに、シャットダウンした状態からは起きない。設定を何度見直しても変わらない。この症状には、設定漏れとは別の説明があります。MicrosoftはWindows 10以降について、通常のシャットダウンが高速スタートアップ(ハイブリッドシャットダウン)の状態に入り、その状態からのWake on LANはサポートされない、と明記しています。ネットワークアダプターが意図的に起動待ちに設定されないためです。この記事は2026-09-21にMicrosoftのサポート記事を読み、どの状態からなら起こせるのかと、確認の順番を整理します。当サイトは実機で再現していません。

公開 · 更新 · FaultNote 編集方針

Wake on LANで起動しない理由:シャットダウンの「状態」が違うの流れ:1. まず、Wake on LANが何に反応するのか、2. Windows 10以降の通常のシャットダウンからは、サポートされない、3. では、どの状態からなら起こせるのか、4. 高速スタートアップを切るという選択肢と、その注意、5. 確認の順番
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • Wake on LANを設定したのに、シャットダウン状態から起動できない人
  • スリープからは起きるのに、電源を切ると起きない理由を知りたい人
  • リモートからPCを起こす運用を組む前に、前提を確認したい人

用意するもの

  • 起こしたいPCの電源の切り方を決める(スリープ、休止状態、シャットダウンのどれか)
  • ネットワークアダプターの設定画面を開ける状態にする(デバイスマネージャー)
  • 有線で接続されているかを確認する(この記事が読んだ出典はEthernetのパケットについて述べています)

1. まず、Wake on LANが何に反応するのか

MicrosoftのサポートKB 2776718は、機能をこう説明しています。The Wake on LAN (WOL) feature wakes a computer from a low-power state when a network adapter detects a WOL event. Typically, such an event is a specially constructed Ethernet packet.(原文は英語、訳は当サイトによるものです)

低電力状態にあるコンピューターを、ネットワークアダプターがWOLイベントを検出したときに起こす機能で、そのイベントは典型的には特別に構成されたEthernetパケットである、という説明です。

ここで効いてくるのが「低電力状態」という言葉です。電源が切れているように見える状態にもいくつか種類があり、どの状態にいるかで結果が変わります。

2. Windows 10以降の通常のシャットダウンからは、サポートされない

同じ記事は、Windows 7からWindows 10で既定の動作が変わったと述べています。In Windows 10, the default shutdown behavior puts the system into the hybrid shutdown (also known as Fast Startup) state (S4). And all devices are put into D3. In this scenario, WOL from S4 or S5 is unsupported.

Windows 10の既定のシャットダウンはハイブリッドシャットダウン(高速スタートアップ)の状態に入り、すべてのデバイスがD3に置かれる。この場合、S4またはS5からのWOLはサポートされない、という記載です。

そして理由も書かれています。Network adapters are explicitly not armed for WOL in these cases, because users expect zero power consumption and battery drain in the shutdown state. This behavior removes the possibility of invalid wake-ups when an explicit shutdown is requested. ネットワークアダプターは意図的に起動待ちに設定されない。利用者はシャットダウン状態では消費電力とバッテリーの消耗がゼロであることを期待するからだ、という説明です。

つまり、これは不具合ではなく設計された動作です。設定を何度見直しても変わらない理由がここにあります。

3. では、どの状態からなら起こせるのか

同じ段落が答えを示しています。So WOL is supported only from sleep (S3), or when the user explicitly requests to enter hibernate (S4) state in Windows 10.

スリープ(S3)から、または利用者が明示的に休止状態(S4)に入ることを要求した場合にのみサポートされる、ということです。

ここに細かいが重要な区別があります。ハイブリッドシャットダウンも休止状態も、行き着く電源状態は同じS4です。それでも扱いが違う理由を、同じ記事が書いています。Although the target system power state is the same between hybrid shutdown and hibernates (S4), Windows will only explicitly disable WOL when it's a hybrid shutdown transition, and not during a hibernate transition. 同じS4でも、Windowsが明示的にWOLを無効にするのはハイブリッドシャットダウンへの遷移のときだけで、休止状態への遷移のときはそうしない、という記載です。

したがって実務上の答えは「電源を切る」のではなく「スリープか休止状態にする」になります。下の表はその整理です。

表は横にスクロールできます →

3. では、どの状態からなら起こせるのか
終了のしかたMicrosoftの記載リモートから起こせるか
スリープ(S3)WOLがサポートされる状態として明記対象
休止状態(利用者が明示的に選ぶ)明示的に休止状態を要求した場合としてサポート対象に挙げられている対象
通常のシャットダウン(Windows 10以降の既定=高速スタートアップ/S4)この状況でのS4またはS5からのWOLはサポートされないと明記対象外
従来のシャットダウン(S5)同じ文でサポート対象外に含まれている対象外
Windows 7の既定のシャットダウン(S5)S5からのWOLはWindows 7では公式にはサポートされないと記載公式には対象外
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4. 高速スタートアップを切るという選択肢と、その注意

記事には高速スタートアップを無効にする手順も載っています。ただし、その直前に注記があります。We don't recommend that you disable the hybrid shutdown (S4) state. ハイブリッドシャットダウンの状態を無効にすることは推奨しない、という記載です。当サイトもこれを推奨として案内しません。

手順自体は、コントロールパネルの電源オプションから「電源ボタンの動作を選択する」を開き、「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外して設定を保存する、というものです。Microsoftのページに書かれているとおりに引用しています。

この設定を切ると起動が遅くなります。リモート起動のために毎日の起動時間を犠牲にするかどうかは、使い方次第です。先にスリープまたは休止状態で運用できないかを検討するほうが、失うものが少なくて済みます。

なお、同じ記事には逃げ道も書かれています。Note the firmware and hardware on some systems may support arming Network Interface Cards (NIC) for wake from S4 or S5, even though Windows isn't involved in the process. 一部のシステムでは、Windowsが関与しない形でファームウェアとハードウェアがS4やS5からの起動待ちに対応する場合がある、という記載です。つまりUEFI側の設定で成立する構成があり得ます。ただしこれは機種依存で、Microsoftも「場合がある」という書き方にとどめています。当サイトも、どの機種で成立するかについては述べません。

5. 確認の順番

設定を触る前に、状態の話を先に片付けます。そこが原因なら、設定をいくら直しても変わりません。

この記事が扱っていないのは、ネットワーク機器側の条件です。ルーターやスイッチをまたぐ場合の構成、無線での可否については、この出典に記載がなく、当サイトも検証していません。

表は横にスクロールできます →

5. 確認の順番
確認する順何を見るか判断
1. どの状態で止めているかシャットダウンか、スリープか、休止状態か通常のシャットダウンならサポート対象外です。ここで止まります
2. スリープまたは休止状態で運用できるか使い方と、消費電力の許容範囲運用を変えられるなら、設定を触らずに解決します
3. アダプター側の設定デバイスマネージャーのネットワークアダプターのプロパティ1と2を満たしたうえで確認する項目です
4. UEFI側の設定機種のUEFI設定にある起動関連の項目Microsoftは機種によって対応しうるとだけ述べています。機種のマニュアルを確認してください
(最後の手段)高速スタートアップを切る電源オプション > 電源ボタンの動作を選択するMicrosoftは無効化を推奨していません。起動は遅くなります
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注意点・利用条件

  • この記事は実機での再現検証に基づくものではありません。引用した条件と手順はMicrosoftが公開している文書の記載です。
  • Microsoftはハイブリッドシャットダウン(高速スタートアップ)の無効化を推奨していません。この記事も推奨しません。無効にすると起動が遅くなります。
  • 出典が述べているのはWindows側の動作です。ルーターやスイッチをまたぐ構成、無線での可否については記載がなく、当サイトも検証していません。
  • 引用した記載は2026-09-21に閲覧したものです。ページには最終更新日として2026-02-12と表示されていました。

よくある質問

設定は合っているのに、シャットダウンからは起動できません。

Microsoftは、Windows 10の既定のシャットダウンがハイブリッドシャットダウン(高速スタートアップ)の状態に入り、この状況でのS4またはS5からのWOLはサポートされないと明記しています。設計された動作であり、設定の見直しでは変わりません。

どの状態からなら起こせますか。

同じページは、スリープ(S3)から、または利用者が明示的に休止状態(S4)に入ることを要求した場合にのみサポートされる、と書いています。

高速スタートアップも休止状態も同じS4ではありませんか。

行き着く電源状態は同じですが、扱いが違います。Microsoftは、Windowsが明示的にWOLを無効にするのはハイブリッドシャットダウンへの遷移のときだけで、休止状態への遷移のときはそうしない、と書いています。

高速スタートアップを切れば解決しますか。

手順はMicrosoftのページに載っていますが、同じページが無効化を推奨しないと明記しています。起動も遅くなります。先にスリープまたは休止状態で運用できないかを検討してください。

UEFIの設定で何とかなりませんか。

Microsoftは、一部のシステムではWindowsが関与しない形でファームウェアとハードウェアがS4やS5からの起動待ちに対応する場合がある、と書いています。機種依存であり、当サイトはどの機種で成立するかを確認していません。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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