比較・選び方 · CMR and SMR hard drives

HDDのCMRとSMRの違い:NAS・RAID・バックアップ用に型番で見分けて選ぶ

同じ容量・同じシリーズ名のHDDでも、記録方式がCMRかSMRかで向く用途が変わります。メーカーが公開している型番ごとの記録方式と用途の説明を根拠に、NAS・RAID・単体バックアップのどれに使うかで選び、注文前に型番で確認する手順です。

公開 · 更新 · FaultNote 編集方針

HDDのCMRとSMRの違い:NAS・RAID・バックアップ用に型番で見分けて選ぶの流れ:1. CMRとSMRの違いは「書き込みの仕方」と「向く仕事」、2. Western Digital:WD Red(SMR)とWD Red Plus(CMR)を型番で見分ける、3. Seagate:公式の記録方式一覧で製品ファミリーごとに確認する、4. 用途ごとに選ぶ:RAID・ZFSはCMR、単体バックアップは条件付きでSMRも、5. 手持ちのHDDがどちらか調べる方法と、SMRだった場合の使い道、6. 注文前の確認:型番・記録方式・保証・容量単価をそろえて比べる
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • NASやRAIDに入れるHDDを選んでいて、SMRを避けるべきか判断したい人
  • バックアップ用の内蔵・外付けHDDを買う前に、型番から記録方式を確かめたい人

用意するもの

  • 用途(NASのRAID、ZFS、PCの保存用、外付けの単体バックアップ)と必要な容量
  • 候補HDDの完全な型番(例:WD40EFPX、ST4000DM004)と、メーカーの仕様書PDF
  • NAS本体を使う場合は、そのメーカーの対応ドライブ一覧

1. CMRとSMRの違いは「書き込みの仕方」と「向く仕事」

CMR(Conventional Magnetic Recording)はトラックを重ねずに記録します。SMR(Shingled Magnetic Recording)はトラックを瓦のように重ねて容量を稼ぐ方式で、市販のPC・NAS向け製品ではドライブ側が内部で書き直しを管理する「デバイス管理型(DMSMR)」が使われます。Western Digitalはこの方式の製品について、短時間のアクセスが中心の小規模用途を想定し、バックグラウンド処理のためのアイドル時間を必要とすると説明しています。

同社はさらに、ZFSの再構築(resilver)のような持続的なランダム書き込みではアイドル時間が足りなくなるため、ZFS環境にはCMRのWD Red PlusとWD Red Proを使うよう案内しています。Seagateも、SMRは一度書いてたまに読む大容量メディア保管やバックアップ層、アーカイブなど「順次書き込みに近い作業」に向くとしています。RAIDの再構築や頻繁な書き換えが前提の用途では、メーカー自身がCMRを勧めている点が判断の出発点です。

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1. CMRとSMRの違いは「書き込みの仕方」と「向く仕事」
用途メーカーの説明に基づく判断根拠
NASのRAID、ZFS(再構築が発生する)CMRを選ぶWD:ZFSの再構築ではDMSMRのアイドル時間が不足するため、CMRのWD Red Plus/Proを使う
PCの保存用、頻繁な書き換えCMRが無難WD:DMSMRは短時間アクセスの小規模用途向けで、アイドル時間を必要とする
単体の外付けバックアップ、アーカイブSMRも候補Seagate:SMRは順次書き込みに近いバックアップ層・アーカイブに適する
  1. 自分の用途を、RAID・ZFSのNAS、PC内蔵の保存用、単体の外付けバックアップのどれかに分けます。
  2. RAIDやZFSで使う、または頻繁に書き換える用途なら、この時点でCMRの製品だけを候補にします。
  3. 一度書いてほとんど読むだけの単体バックアップなら、SMRも候補に残し、価格と保証で比べます。

2. Western Digital:WD Red(SMR)とWD Red Plus(CMR)を型番で見分ける

Western Digitalは2020年6月のブログで、2TB・3TB・4TB・6TBのWD RedがDMSMRであること、CMRのNAS向け製品を「WD Red Plus」として分けることを発表しました。2026年9月13日に確認した公式の製品仕様書では、WD Red(2023年9月版)はWD20EFAX・WD30EFAX・WD40EFAX・WD60EFAXの4型番がすべてSMR(デバイス管理型)、WD Red Plus(2025年3月版)はWD20EFPXからWD120EFGXまでの10型番がすべてCMRです。

両シリーズとも仕様書上の年間ワークロードは180TB、MTBFは100万時間、対応ベイ数は最大8、保証は3年で同じです。数字が同じでも記録方式が違うため、シリーズ名と容量だけで判断せず、型番の末尾(EFAX/EFPX・EFZX・EFGX・EFBX)まで確認します。2020年7月時点のWD公開資料では、WD Blue 3.5インチの2TB(WD20EZAZ)と6TB(WD60EZAZ)、WD Blue 2.5インチの1TB・2TB、WD Black 2.5インチの500GB・1TBもSMRです。この資料は当時の型番一覧なので、現行品は各製品の仕様書で確認してください。

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2. Western Digital:WD Red(SMR)とWD Red Plus(CMR)を型番で見分ける
シリーズ(仕様書の版)型番記録方式共通の仕様値
WD Red(2023年9月)WD20EFAX、WD30EFAX、WD40EFAX、WD60EFAXSMR(デバイス管理型)180TB/年、MTBF 100万時間、最大8ベイ、3年保証
WD Red Plus(2025年3月)WD20EFPX、WD40EFPX、WD60EFPX、WD60EFZX、WD80EFPX、WD80EFZZ、WD101EFBX、WD100EFGX、WD120EFBX、WD120EFGXCMR180TB/年、MTBF 100万時間、最大8ベイ、3年保証
WD Blue 3.5インチ(2020年7月の一覧)WD20EZAZ、WD60EZAZSMR同資料では「他の容量はCMR」。現行型番は仕様書で再確認
  1. 販売ページに書かれた完全な型番を控え、シリーズ名(WD Red/WD Red Plus)と容量だけで選ばないようにします。
  2. 型番をメーカーの仕様書PDFの「Recording technology」行と照合し、CMRかSMRかを確定します。
  3. 同じ容量で価格差がある場合は、記録方式・回転数・キャッシュ・保証年数の違いも並べて比べます。

3. Seagate:公式の記録方式一覧で製品ファミリーごとに確認する

Seagateは製品ファミリーと容量ごとにCMRかSMRかを示す一覧ページを公開しています。2026年9月13日の確認では、3.5インチのBarraCudaは4TBと8TBがSMR、12TB以上がCMR、NAS向けのIronWolfとIronWolf Proは掲載容量がすべてCMR、監視用SkyHawkの1〜8TBもCMRでした。2.5インチのBarraCuda(2TB・4TB)とFireCuda(1TB・2TB)はSMRです。データセンター向けExosは大半がCMRで、一部の最大容量帯にSMRがあります。

一覧は容量単位なので、同じ容量に複数の型番がある製品では、注文前に製品マニュアル(PDF)の記録方式の記載で型番を確定します。

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3. Seagate:公式の記録方式一覧で製品ファミリーごとに確認する
Seagateの製品ファミリー(3.5インチ)CMRとして掲載SMRとして掲載
BarraCuda12TB、16TB、20TB、24TB4TB、8TB
IronWolf(NAS向け)2TB、4TB、6TB、8TB、10TB、12TB、16TB掲載なし
IronWolf Pro2・4・6・8・10・12・16・20・24TB、Mozaic 28・30・32TB掲載なし
SkyHawk(監視用)1TB、2TB、4TB、6TB、8TB掲載なし
2.5インチ BarraCuda/FireCuda掲載なしBarraCuda 2TB・4TB、FireCuda 1TB・2TB
  1. Seagateの一覧で、候補のファミリーと容量がCMR・SMRどちらの列にあるか確認します。
  2. 販売ページの型番(例:ST4000DM004)をSeagateの製品マニュアルで検索し、記録方式の記載と一致するか確かめます。
  3. NASで使うなら、Seagateの一覧でCMRに載るIronWolf/IronWolf Proの容量から候補を選びます。

4. 用途ごとに選ぶ:RAID・ZFSはCMR、単体バックアップは条件付きでSMRも

NASでRAIDを組む、ZFSを使う、複数人で常時読み書きする場合は、メーカーの案内に沿ってCMRのNAS向け製品(WD Red Plus/Pro、IronWolf/IronWolf Pro)から選びます。NAS本体のメーカーが対応ドライブ一覧を公開している場合は、そちらも先に確認します。単体の外付けや、月に一度の丸ごとバックアップのように「大きく順番に書いて、あとは読むだけ」の使い方なら、SMRの製品も価格と保証を比べて候補にできます。

SMRの製品を選ぶ場合は、空き容量が少ない状態での上書きや、細かいファイルの大量書き換えでは処理に時間がかかることを前提に、完了まで電源を切らない運用にします。この記事は速度の実測を行っていないため、具体的な転送速度の差は示していません。

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4. 用途ごとに選ぶ:RAID・ZFSはCMR、単体バックアップは条件付きでSMRも
使い方選ぶ記録方式候補の探し方
NASのRAID・ZFS、常時稼働の共有ストレージCMRWD Red Plus/Red Pro、Seagate IronWolf/IronWolf ProをNAS本体の対応一覧と合わせて確認
PC内蔵のデータ用、頻繁に書き換える作業領域CMRWD Blue/Black、BarraCudaでも型番ごとにCMRを確認(BarraCuda 4TB・8TBはSMR)
単体の外付け、定期的な丸ごとバックアップ、アーカイブCMRまたはSMRSMRなら順次書き込み中心で使い、価格・保証・容量当たり単価で比較
監視カメラ録画CMR(用途別製品)Seagate SkyHawkなど監視用製品の一覧で記録方式と対応台数を確認
  1. 下表で自分の用途の行を選び、候補の型番がその行の条件を満たすかを仕様書で確認します。
  2. NAS本体の対応ドライブ一覧がある場合は、記録方式に加えてその一覧への掲載も条件に加えます。

5. 手持ちのHDDがどちらか調べる方法と、SMRだった場合の使い道

Western Digitalのサポート記事は、2018年より前に製造されたWD・HGSTのHDDはCMRで、製造日はドライブのラベルで確認できると説明しています。それ以降の製品は、WD Red/Blue/Black/Purple/Goldなど各シリーズの仕様書で型番を照合します。Seagateも同様に一覧と製品マニュアルで確認できます。

すでにSMRのHDDをRAIDに入れている場合、すぐに壊れるという意味ではありませんが、再構築時に時間がかかったり、NAS側で非推奨と表示されたりする可能性があります。交換の予定が立つまでは、単体バックアップやアーカイブ用に役割を移す判断ができます。

  1. Windowsの「ディスクの管理」やNASの管理画面で型番を確認し、ラベルの製造日も控えます。
  2. 型番をメーカーの仕様書・一覧と照合し、CMRかSMRかを記録します。
  3. SMRがRAIDに入っている場合は、次の交換時にCMRへ入れ替える計画を立て、それまでの重要データは別のバックアップにも残します。

6. 注文前の確認:型番・記録方式・保証・容量単価をそろえて比べる

記録方式が同じ候補同士で、容量当たりの価格、保証年数、年間ワークロードの定格、回転数・キャッシュを比べます。この記事は実売価格を調査していないので、同じ日に販売店で税込価格を確認してください。外付けHDDは中身の型番が明記されないことが多いため、記録方式を条件にするなら内蔵ドライブを買って自分でケースに入れる方法も検討します。

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6. 注文前の確認:型番・記録方式・保証・容量単価をそろえて比べる
確認項目どこで見るか見落としやすい点
記録方式(CMR/SMR)メーカー仕様書の Recording technology、Seagateの一覧シリーズ名と容量が同じでも型番末尾で方式が変わる
年間ワークロード・MTBF・保証製品仕様書WD RedとWD Red Plusは数値が同じで記録方式だけが違う
NAS本体の対応NASメーカーの対応ドライブ一覧一覧の更新時期と、非掲載ドライブへの警告表示の有無
  1. 候補ごとに「型番、記録方式、容量、回転数、保証年数、同日の税込価格」を1行で並べ、記録方式が用途に合わない候補を外します。
  2. NASに入れる場合は本体の対応一覧、RAIDに追加する場合は既存ドライブの型番も同じ表に書き、混在の可否をNASメーカーの案内で確認します。
  3. 届いたら、ラベルの型番が注文したものと一致するかを確認してから初期化・RAIDへの追加に進みます。

注意点・利用条件

  • 型番と記録方式の対応は2026年9月13日にメーカー資料で確認した内容です。仕様書は改版されるため、注文前に最新版で型番を照合してください。
  • この記事はSMRとCMRの速度を実測していません。転送速度や再構築時間の具体的な差は扱いません。
  • NAS本体の対応ドライブ一覧や警告表示の仕様はNASメーカーごとに異なります。記録方式の確認とは別に、本体側の案内を確認してください。

よくある質問

WD RedとWD Red Plusは何が違うのですか?

公式仕様書では、WD Red(WD20〜60EFAX)はSMR、WD Red Plus(WD20EFPX〜WD120EFGX)はCMRです。年間ワークロード180TB、MTBF 100万時間、最大8ベイ、3年保証といった数値は同じで、記録方式が違います。

SMRのHDDはバックアップ用なら問題ありませんか?

Seagateは、一度書いてたまに読むバックアップ層やアーカイブなど順次書き込みに近い用途にSMRが向くと説明しています。RAIDやZFSの再構築のような持続的なランダム書き込みは、Western DigitalがCMRを勧める用途です。

外付けHDDの中身がCMRかSMRか分かりますか?

外付け製品の多くは内蔵ドライブの型番を公表していません。記録方式を条件にする場合は、仕様書で確認できる内蔵ドライブを購入し、外付けケースに入れる方法が確実です。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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