比較・選び方 · HDMIケーブル(Ultra96/Ultra High Speed/Premium High Speed/High Speed)とDisplayPortケーブル(DP40/DP54/DP80/DP80LL)

HDMI・DisplayPortケーブルは「2.1対応」ではなく認証名で選ぶ:Ultra96/Ultra High Speed/DP40・DP54・DP80の見分け方

ケーブルの商品ページには「HDMI 2.1対応」「DisplayPort 2.1対応」と書かれていますが、HDMI LAもVESAも、ケーブルをその名前で認証してはいません。HDMIには Ultra96 / Ultra High Speed / Premium High Speed / High Speed という正式なケーブル名があり、HDMI LAは「すべてのHDMIケーブル製品は、ケーブルの外被に正式なケーブル名を表示することが必須」だと明記しています。DisplayPort側は DP40 / DP54 / DP80 / DP80LL というVESAの認証で、こちらはリンクレートに対する認証です。この記事は、両方の正式名称と、それぞれが「何Gbpsに適用されるものなのか」、包装のラベルとQRコードでどう確認するのか、DisplayPort側で認証の段階ごとに長さの上限が公表されていることを、発表日付とともに整理します。特定製品の推薦も、画質が上がるという主張も行いません。

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HDMI・DisplayPortケーブルは「2.1対応」ではなく認証名で選ぶ:Ultra96/Ultra High Speed/DP40・DP54・DP80の見分け方の流れ:1. 「HDMI 2.1ケーブル」という商品名は、規格側の呼び方ではない、2. HDMIの正式なケーブル名と、適用される帯域、3. 買う前・買った後に確認する手順(HDMI)、4. DisplayPort側はDP40・DP54・DP80・DP80LL。長さの上限が公表されている、5. ディスプレイ側から逆算して、必要な認証を決める、6. この記事で判断できないこと
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • 4K 144Hzなど高い設定のモニターを買い、付属ケーブルで足りるのか判断したい人
  • 通販で「HDMI 2.1対応」「8K対応」と書かれたケーブルが本物か確かめたい人
  • DisplayPort 2.1のGPUとモニターをつなぐために、どのケーブルを買えばよいか分からない人

用意するもの

  • モニターとGPUが実際に必要とする解像度・リフレッシュレート・色深度を控える(どの端子を使うかの判断は当サイトの「DisplayPortとHDMIの選び方」の記事にあります)
  • いま使っているケーブルの外被に、ケーブル名の印字があるかどうかを確認する
  • 候補のケーブルの商品ページに、包装写真(認証ラベルが写っているか)があるかを確認する

1. 「HDMI 2.1ケーブル」という商品名は、規格側の呼び方ではない

HDMI Licensing Administrator(HDMI LA)のケーブル解説ページは、ケーブルの種類を「Ultra96 HDMI Cable」「Ultra High Speed HDMI Cable」「Premium High Speed HDMI Cable」「High Speed HDMI Cable」などの名前で説明しています。仕様のバージョン番号(2.0、2.1、2.2)はケーブルの名前として使われていません。同じようにVESA側も、ケーブルの認証名は DP40、DP54、DP80、DP80LL で、「DisplayPort 2.1認証ケーブル」という認証は存在しません。

そのうえでHDMI LAは、買う側が確認できる具体的な手がかりを明記しています。「消費者がケーブルの種類をさらに区別できるよう、すべてのHDMIケーブル製品は、ケーブルの外被に正式なケーブル名を表示することが必須であり、包装にはケーブル名ロゴおよび/またはHDMI LAが提供する適切なケーブル認証ラベルを表示しなければならない」。つまり、外被の印字と包装のラベルが、規格側が用意した確認手段です。

HDMI LA自身が、買い物の場で何が起きているかにも言及しています。「HDMIケーブルの購入は分かりにくいものになりえます。再販業者はさまざまなマーケティング用語を使うことがあり、正式なHDMIケーブル名称を使わないことがあります。また多くのウェブサイトは、アフィリエイト報酬を受け取ることだけを基準にケーブルを推奨していることがあります。そして最悪なのは、一部のケーブルが偽造品であることです」。当サイトも小売サイトへのリンクを載せることがあるため、この一文はそのまま自戒として引用しておきます。

2. HDMIの正式なケーブル名と、適用される帯域

下の表は、HDMI LAのページに書かれているケーブル名と、そのケーブルが適用される帯域・用途をまとめたものです。数値と表現はHDMI LAの記載に沿っています。当サイトはケーブルの測定を行っていません。

読み方の要点は2つあります。第一に、Ultra96とUltra High Speedは「Ultra HDMI Cable Certification Program」という必須の認証プログラムの対象で、HDMI LAは「すべてのUltra96 HDMIケーブルのモデルとUltra High Speed HDMIケーブルのモデルは、HDMI Forum Authorized Testing Center(Forum ATC)での認証試験に合格しなければならない」と記載しています。第二に、「Ultra96」にはケーブル名とは別に“機能名”としての用法があり、HDMI LAは「Ultra96は、製品がHDMI 2.2仕様に準拠して最大64Gbps、80Gbps、96Gbpsのいずれかの帯域に対応していることを示すために、メーカーが使用することを推奨される機能名です」と説明しています。機器側の機能名としての Ultra96 表記と、ケーブル名としての Ultra96 HDMI Cable は別物です。

帯域が大きいケーブルを買っても、送り出す機器と受ける機器の帯域が上がるわけではありません。HDMI LAの記述は「Ultra96機能名を掲げる製品には、その最大帯域を正しく支えるためにUltra96 HDMIケーブルが必要になる」という方向であって、ケーブルが機器を速くするとは書かれていません。

表は横にスクロールできます →

2. HDMIの正式なケーブル名と、適用される帯域
正式なケーブル名適用される帯域(HDMI LAの記載)代表的な用途としてHDMI LAが挙げる例認証の扱い
Ultra96 HDMI Cable最大96Gbps8K@60/4:4:4、4K@240/4:4:4(10bit・12bitの非圧縮フルクロマ)Ultra HDMI Cable Certification Program(必須)。Forum ATCでの試験合格と認証ラベルが必要
Ultra High Speed HDMI Cable最大48Gbpsの構成に適用8K@60、4K@120同じく必須認証。2020年に市場投入、HDMI 2.1仕様で導入
Premium High Speed HDMI Cable(+ with Ethernet)最大18Gbps4K60、HDR、BT.2020などの広色域Premium HDMI Cable Certification Label。低EMIの試験を含む
High Speed HDMI Cable(+ with Ethernet)最大10.2Gbps1080p以上、4K@30Hz、3D、Deep Color基準となる種類。Ethernet付きはHDMIイーサネットチャネルを追加
Standard HDMI Cable(+ with Ethernet)(帯域の数値はページに記載なし)1080iまたは720pHDMI LAは「後年の解像度・リフレッシュレート・帯域には対応しない」と注意している

3. 買う前・買った後に確認する手順(HDMI)

HDMI LAが公開している確認手段は3つあります。順に使えば、レビュー記事に頼らずに判断できます。

1つめは包装のラベルです。「Ultra96 HDMI CableまたはUltra High Speed HDMI Cableの認証ラベルが包装に表示されていることを確認してください。ラベルには正式なケーブル名ロゴが印刷されています」。2つめはそのラベルのQRコードで、「ケーブルのモデルが試験され、HDMI 2.2仕様に準拠して認証されていることを確認するため、ラベルは標準的なQRコードアプリで読み取ることができます」と書かれています。3つめは通販サイト上のVerification Bannerで、HDMI LAは「認証プログラムへの任意の追加機能であり、メーカーや再販業者のウェブサイトで買い物をしている最中に、ケーブルの認証状況を確認できるようにするもの」で、読み取ると「ブランド名、型番、長さ」が表示されると説明しています。

HDMI LAは継続的な監査も説明しています。「Ultra96 HDMIケーブルとUltra High Speed HDMIケーブルが製品寿命を通じて仕様に適合し続けることを確認するため、当社は店舗やオンラインマーケットプレイスでケーブルを購入し、Forum ATCへ試験に出しています」。不合格なら製造上の問題を是正する機会が与えられ、是正されなければそのケーブルに対する認証ラベルの追加発行は行われない、とされています。監査の件数や合格率は公表されていないため、この記事でも数値は書きません。

これは当サイトの判断ですが、商品ページに正式なケーブル名の記載も包装ラベルの写真もない場合、帯域の主張は未確認として扱うのが妥当です。HDMI LAが「未確認だ」と述べているわけではなく、確認手段が提示されていないという意味です。

4. DisplayPort側はDP40・DP54・DP80・DP80LL。長さの上限が公表されている

VESAのケーブル認証は、UHBRという高いリンクレートに対して行われます。以下はVESAの発表ページに書かれている内容で、それぞれの発表日も一緒に示します。発表資料は当時の記述であり、現行の仕様書そのものではありません。

2022年2月28日の発表:「VESA認証のDP40ケーブルは、DisplayPort 2.0が定義するUHBR10リンクレート(毎秒10ギガビット、Gbps)までをサポートし、4レーンのフル動作に対応して最大40Gbpsのスループットを提供しなければならない」「VESA認証のDP80ケーブルは、DisplayPort 2.0が定義するUHBR20リンクレート(20Gbps)までを4レーンでサポートし、最大80Gbpsのスループットを提供しなければならない」。そして買う人向けに「もしケーブルにVESAのDP40またはDP80ロゴが付いていれば、VESAが認証する現行および将来の製品が対応する最高のデータレートの仕様を満たします」と書かれています。

2024年1月8日の発表:DP40のケーブル仕様はDP54に置き換えられました。「この更新は、VESA認証のDP40 UHBRケーブル仕様を、2メートルのパッシブケーブルで4レーンのUHBR13.5リンクレート対応(最大54Gbpsのスループット)を可能にする新しいVESA認証DP54 UHBRケーブル仕様に置き換えます」。既存品については「VESAはDP40ケーブル仕様を廃止しますが、これまでに出荷済みの既存のDP40ケーブルは、VESAによる厳格な試験を通じてDP54ケーブル仕様に適合し、UHBR13.5リンクレートに対応することが確認されています」とされています。箱に書かれているロゴはDP40のままであり、この適合の確認はVESAの発表に基づく記述です。

2025年1月6日の発表:DP80LLが加わりました。「4レーンのUHBR20リンクレート対応(最大80Gbpsのスループット)を、最長3メートルのアクティブケーブルで可能にする新しいDP80LL(低損失)UHBRケーブル」「DisplayPort 2.1bの更新により、既存のVESA認証DP80パッシブケーブルと比べて、UHBR20のGPU―ディスプレイ間接続で最大3倍のケーブル長が得られます」「ユーザーはDisplayPort 2.1 UHBR20のソースとハブまたはシンク機器の間で、1メートルのケーブル接続に制限されることがなくなります」。

机の配置に効くのはこの長さの部分です。UHBR20を長く引き回す配線は、パッシブの延長ではなくアクティブケーブルという別の製品カテゴリーになる——これは表の解釈であって、VESAがレイアウトの助言としてそう述べているわけではありません。

表は横にスクロールできます →

4. DisplayPort側はDP40・DP54・DP80・DP80LL。長さの上限が公表されている
VESAの認証名認証されるリンクレート最大スループット長さに関する記載(発表日)
DP40UHBR10まで(4レーン)40 Gbps長さの記載なし(2022-02-28)。2024-01-08の発表で仕様としては廃止
DP54UHBR13.5まで(UHBR10も含む、4レーン)54 Gbps最長2メートルのパッシブケーブル(2024-01-08)
DP80UHBR20まで(UHBR13.5も対応、4レーン)80 Gbpsパッシブ。2025-01-06の発表は、従来は1メートルの接続に制限されていたと述べている
DP80LLUHBR20(4レーン)80 Gbps最長3メートルのアクティブ(低損失)ケーブル(2025-01-06)

5. ディスプレイ側から逆算して、必要な認証を決める

手順としては、(1) モニターとGPUが実際に出す信号(解像度・リフレッシュレート・色深度・DSCの有無)を確認する、(2) その帯域を含むケーブル名または認証名を選ぶ、(3) 包装のラベルとQRコード、あるいはDPのロゴで確認する、という順になります。(1)の部分、つまりどちらの端子を使うかという判断は、当サイトの「DisplayPortとHDMIの選び方(ゲーミングモニターの接続)」の記事にあります。ここでは重複させません。

ケーブルの認証はモデル単位です。同じブランドの別の長さ、別の型番が同じ認証を持っているとは限りません。HDMI LAが包装単位・販売単位でラベルを貼ると説明しているのは、そのためです。

すでにケーブルを持っていて、高いリフレッシュレートで映らない・点滅する・信号が落ちるという症状が出ている場合は、ケーブルの選び直しの前に確認することがあります。当サイトには「Windowsで144Hzが選べない」「OSDのオーバークロック設定の後にDisplayPortで信号が出ない」という対処記事があり、そちらが該当します。

6. この記事で判断できないこと

第一に、特定の製品が本当に認証されているかどうかは、この記事では分かりません。確認できるのは包装のラベル、QRコードの読み取り結果、通販ページのVerification Bannerです。当サイトはケーブルを購入して試験していません。

第二に、HDMIケーブルの使用可能な最大長は、今回読んだHDMI LAのどのページにも書かれていませんでした。長さの数値はDisplayPort側の認証段階についてのみ公表されています。HDMIの長さについて書かれた記述を見つけた場合は、出典と日付を添えて追記します。

第三に、すでに正常に表示できているリンクについて、より高価なケーブルに替えると画質が上がる、という主張はしません。今回読んだ資料が述べているのは、試験に合格した適合性と低EMIであって、画質の向上ではありません。

注意点・利用条件

  • 「HDMI 2.1認証ケーブル」「DisplayPort 2.1認証ケーブル」という認証は存在しません。HDMI側の認証名はUltra96 HDMI Cable/Ultra High Speed HDMI Cableなど、DisplayPort側はDP40/DP54/DP80/DP80LLです。
  • VESAの3本の発表(2022-02-28、2024-01-08、2025-01-06)は、その日付時点の発表資料です。現行の仕様書そのものではないため、この記事では引用に必ず日付を添えています。
  • 当サイトはケーブルの測定・試験を行っていません。帯域・長さ・スループットの数値はすべてHDMI LAとVESAの公表値です。
  • 認証はケーブルのモデル単位です。同じブランドでも長さや型番が違えば、認証の有無は別に確認する必要があります。

よくある質問

「HDMI 2.1対応」とだけ書かれたケーブルは、買ってはいけないのですか。

買ってはいけない、とまでは言えません。判断できるのは、その表記だけでは規格側の確認手段が示されていない、ということです。HDMI LAは、すべてのHDMIケーブル製品にケーブルの外被への正式なケーブル名の表示を義務づけ、包装にはケーブル名ロゴまたは認証ラベルを表示すると説明しています。48Gbpsが必要なら、Ultra High Speed HDMI Cableという名称と、QRコードで読み取れる認証ラベルを探すのが、公開されている確認方法です。

手持ちのDP40ケーブルは、UHBR13.5で使えますか。

VESAは2024年1月8日の発表で「これまでに出荷済みの既存のDP40ケーブルは、VESAによる厳格な試験を通じてDP54ケーブル仕様に適合し、UHBR13.5リンクレートに対応することが確認されている」と述べています。これはVESAの記述であり、当サイトの試験結果ではありません。なお箱のロゴはDP40のままで、DP54の表記に変わるわけではありません。

UHBR20(DP80)のケーブルを3メートルで買えますか。

VESAが3メートルという長さを述べているのは、2025年1月6日に発表されたDP80LL(低損失)というアクティブケーブルの仕様についてです。同じ発表は、従来のDP80パッシブケーブルでは1メートルの接続に制限されていたとも述べています。長い配線が必要なら、パッシブの延長ではなくアクティブケーブルという別の製品を探すことになります。

高いケーブルに替えれば、画質は良くなりますか。

今回読んだHDMI LAとVESAの資料には、そのような記述はありません。認証が述べているのは、規定の帯域・リンクレートに対する適合性と、HDMI側では低EMI(無線ネットワーク、ストリーミング機器、Bluetooth機器、携帯電話への干渉の可能性を減らすための試験)です。すでに安定して映っているリンクについて、より高い認証のケーブルが画質を上げるという主張は、この記事ではしません。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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