Thunderbolt Shareは「認証済み」では使えない:ライセンス済み機器の見分け方とPC間接続の条件
新しいPCへデータを移す方法として、2台をThunderboltケーブルで直結するThunderbolt Shareがあります。画面とキーボード・マウスの共有、ドラッグ&ドロップ、フォルダー同期、PCのファイル移行が使えます。ただし条件が独特で、Intelは、Thunderbolt認証とThunderbolt Shareライセンスは同じではないこと、ライセンスは新しい製品にのみ付き既存の機器には後から買えないこと、そして2台のうち片方(またはつなぐアクセサリー)にライセンスがあればよいことを明記しています。この記事は2026-09-21にIntelの2ページを読み、買う前に確認する条件と制限を整理します。
公開 · 更新 · FaultNote 編集方針
この記事が役立つ人・作業前の準備
- 新しいPCを買って、古いPCからデータを移す方法を比較している人
- Thunderboltドックやモニターを買う前に、対応の有無を確認したい人
- Thunderbolt端子があるのにShareが使えず、理由を知りたい人
用意するもの
- 2台のPCの端子がThunderbolt 4またはThunderbolt 5かを確認する(USB-Cの形でも対応は別です)
- 候補の製品(PC、ドック、モニター、ストレージ)の仕様にThunderbolt Shareの記載があるかを確認する
- 手元のThunderboltケーブルの規格を確認する
- 移行したいデータの量と、代替手段(外付けSSD、ネットワーク)の所要時間を把握しておく
1. 何ができるのか
Intelの説明はこうです。Thunderbolt Share software by Intel provides PC-to-PC experiences with Thunderbolt 4 or Thunderbolt 5 enabled computers.(原文は英語、訳は当サイトによるものです。原文には商標記号が付きます)
できることも列挙されています。2台のPC間でキーボード、映像、マウスを共有すること、そしてThunderboltケーブルを使った高速なファイル転送(ドラッグ&ドロップ、フォルダー同期、PCのファイル移行)です。
土台になっているのはThunderbolt Networkingで、FAQは high bandwidth and ultra-low latency PC-to-PC networking と説明しています。つまり、ネットワーク越しではなくPC同士を直接つなぐ仕組みです。
対応OSも明記されています。FAQの記載は Windows 11* and newer. です。
2. 「認証済み」と「ライセンス済み」は違う
ここがこの記事の核心です。FAQは明確に否定しています。Q: Is Thunderbolt certified the same as Thunderbolt Share licensed? A: No. Thunderbolt Share licensed is not the same as Thunderbolt certified .
続けて理由が書かれています。Thunderboltのロゴやアイコンを使うPCとアクセサリーはすべてThunderbolt認証済みですが、Thunderbolt Shareライセンス済みになるのは、メーカーがその特定の製品モデルについてライセンスを取得し有効にした一部のPCやアクセサリーだけです。
つまり、Thunderbolt端子があること、Thunderbolt認証があることは、この機能が使える保証にはなりません。仕様表でThunderboltの記載を見ただけで判断すると外します。
確認方法も示されています。If you are unsure if your PC or Accessory is Thunderbolt Share licensed, check with the manufacturer, as Thunderbolt Share will be listed as a supported feature for that specific model. 機種ごとの対応機能としてメーカーが挙げているかを確認する、ということです。
3. ライセンスは1つあればよい(ただし後からは買えない)
条件は厳しすぎるわけではありません。Intelは構成例を2つ挙げています。ライセンス済みのPCは、Thunderbolt 4または5のWindows PCとなら相手を選ばず組み合わせられること。そして、ライセンス済みのThunderboltアクセサリーは、Thunderbolt 4または5対応のWindows PC 2台の間で使えることです。
FAQも同じことを別の言い方で書いています。At least one of the PCs or Thunderbolt devices that are connected to one of the PCs needs to have a license . 少なくとも片方、またはつながるThunderbolt機器にライセンスがあればよい、ということです。ソフトウェア自体は両方のPCに入れる必要があります。
一方で、後から手に入れる道はありません。Q: Can I buy a license for the software for my existing Thunderbolt PC or device? A: Thunderbolt Share is offered only with new Thunderbolt products , so only new PCs, desktop or laptops or docking or monitors that are shipping with Thunderbolt parts in them can have a license.
これが購入判断に直結します。いま持っている機器にライセンスがないなら、この機能を使う唯一の道は、ライセンス済みの新しいPCかアクセサリーを買うことです。逆に、新しいPCやドックを買う予定があるなら、仕様にこの記載があるかどうかを見る価値があります。
表は横にスクロールできます →
| 手元の構成 | Intelの記載から言えること | 買う側の行動 |
|---|---|---|
| 2台ともThunderbolt 4/5だが、どちらもライセンスなし | ライセンスが1つも無い構成は挙げられていません | ライセンス済みの新しいPCかアクセサリーが必要になります |
| 片方がライセンス済みのPC | Thunderbolt 4または5のWindows PCとなら相手を選ばず使えると記載 | もう1台は端子の世代だけ確認します |
| ライセンス済みのドック・モニター・ストレージがある | Thunderbolt 4または5対応のWindows PC 2台の間で使えると記載 | PC側のライセンスは不要です |
| 既存の機器にライセンスを追加したい | 新しいThunderbolt製品にのみ提供されると明記 | 後付けの購入経路はありません |
| Thunderbolt 3以前の機器 | 対象として挙げられているのはThunderbolt 4と5です | この用途では対象外として扱ってください |
4. 使う前に知っておく制限
接続の形は2通りです。Thunderboltケーブルで2台を直結する方法と、Thunderboltのドックやモニターなどのアクセサリーを挟んでデイジーチェーンでつなぐ方法です。
映像の共有には制限があります。Q: Does Thunderbolt Share screen sharing display HDCP content? A: High-bandwidth Digital Content Protection (HDCP) content is not supported with Thunderbolt Share. 保護された映像コンテンツは対象外だ、ということです。
スリープにも注意が必要です。片方のPCがスリープに入ると通信できなくなり接続は停止する、と書かれています。復帰後は、アプリを起動し直すか、ケーブルを抜き差しして手動で接続し直す、という案内です。
グラフィックスについても記載があります。Thunderbolt Shareはグラフィックスカードに依存しないものの、Windowsは既定で内蔵グラフィックスを割り当てるため、最新のIntelグラフィックスドライバーへの更新が推奨されています。
05. 速度をどう読むか
Intelは速度を「おおよその目安」として扱っています。FAQの典型的な観測値は、Thunderbolt 4のシステムで最大20Gbps、Thunderbolt 5のシステムで最大40Gbpsです。ただし、CPU負荷、メモリ性能、ドライバーの挙動、プロトコルのオーバーヘッド、ディスプレイやストレージなど他のThunderboltトンネルが動いているかどうかで変わる、と書かれています。
保証についても明確です。Q: Does Thunderbolt Share guarantee a specific throughput (for example, 40 Gbps)? A: No. 公開されている「up to」の値は典型的な能力の幅を示すもので、保証された性能水準ではない、と説明されています。当サイトも測定していないため、数値は出典の記載としてのみ扱います。
表示の読み方にも注意が必要です。Windowsのネットワークインターフェイスが示すリンク速度は、現在のOSとドライバーの実装を反映したもので、Thunderboltハードウェアの最大能力ではない、とFAQは書いています。Windowsでは、より高い帯域に対応するシステムでもUSB4/Thunderbolt Networkingのインターフェイスが20Gbps固定で表示される、と明記されています。これはハードウェアの制限や不具合を示すものではない、とも書かれています。
「20Gbpsと表示されるから故障・制限」と読まないでください。表示はOS側の見せ方であって、実効速度の上限そのものではない、というのが出典の説明です。
6. この記事が述べないこと
実際の転送速度は述べません。当サイトは測定しておらず、Intel自身も保証しないと明記しています。
特定の製品がライセンス済みかどうかも述べません。確認先はその製品のメーカーです。
他の移行手段との優劣も決めません。外付けSSD経由、ネットワーク経由、Windowsの移行機能など、条件は環境によって変わります。
Thunderbolt 3以前や、Thunderbolt Shareライセンスのない構成での利用方法も扱いません。出典が対象にしていません。
0注意点・利用条件
- Thunderbolt認証とThunderbolt Shareライセンスは別物だとIntelが明記しています。端子やロゴだけで判断しないでください。
- ライセンスは新しいThunderbolt製品にのみ提供され、既存の機器に後から購入することはできないと書かれています。
- HDCPで保護された映像は画面共有の対象外です。
- 片方のPCがスリープに入ると接続は停止します。復帰後は手動での再接続が案内されています。
- 引用した記載は2026-09-21に閲覧したものです。FAQのページには Last Reviewed: 05/05/2026 と表示されていました。
よくある質問
Thunderbolt端子があれば使えますか。
使えるとは限りません。Intelは、Thunderbolt認証とThunderbolt Shareライセンスは同じではないと明記しています。使うには、2台のPCのどちらか、または接続するThunderbolt機器のいずれかがライセンス済みである必要があります。
手持ちのPCにライセンスを追加できますか。
できません。Thunderbolt Shareは新しいThunderbolt製品にのみ提供されると書かれており、既存の機器向けにライセンスを購入する経路は示されていません。
2台ともライセンスが必要ですか。
必要ありません。少なくとも片方のPC、またはPCに接続されるThunderbolt機器のいずれかにライセンスがあればよい、と書かれています。ただしソフトウェアは両方のPCにインストールします。
Windowsのリンク速度が20Gbpsと表示されます。故障ですか。
故障ではありません。Intelは、Windowsの表示が現在のOSとドライバーの実装を反映したものであり、より高い帯域に対応するシステムでもUSB4/Thunderbolt Networkingのインターフェイスが20Gbps固定で表示されると説明しています。ハードウェアの制限や不具合を示すものではない、とも書かれています。
出典・確認日
情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。
- Intelサポート:Thunderbolt Share - Licensed Configurations & Hardware Requirements。Thunderbolt Shareが Thunderbolt 4 または Thunderbolt 5 対応のPC同士でキーボード・映像・マウスの共有とドラッグ&ドロップ・フォルダー同期・PCのファイル移行を提供する旨、ライセンスが一部のPCまたはアクセサリーのメーカーによって付与される旨、ソフトウェア自体はThunderbolt 4または5対応のWindowsノートPCに導入できるが動作には1台のPCまたはThunderboltアクセサリーがライセンス済みである必要がある旨、ライセンスの有無が不明な場合はメーカーに確認し機種ごとの対応機能として記載されている旨、およびライセンス済み構成の例(ライセンス済みPCはThunderbolt 4/5のWindows PCと、ライセンス済みアクセサリーはThunderbolt 4/5対応のWindows PC 2台の間で動作する)を記載。2026-09-21閲覧 ↗
- Intelサポート:FAQ About Thunderbolt Share。対応OSが Windows 11* and newer である旨、ライセンスが新しいThunderbolt製品にのみ提供され既存機器には購入できない旨、接続する2台のうち少なくとも片方またはThunderbolt機器にライセンスが必要でソフトウェアは両方に導入する旨、Thunderbolt認証とThunderbolt Shareライセンスが同一ではない旨、対応する構成(直結とアクセサリーを挟んだデイジーチェーン)、HDCP保護コンテンツが画面共有で非対応である旨、内蔵グラフィックスが既定で割り当てられるためIntelグラフィックスドライバーの更新が推奨される旨、片方のPCがスリープに入ると接続が停止し復帰後は手動で再接続する旨、典型的な観測スループット(Thunderbolt 4で最大20Gbps、Thunderbolt 5で最大40Gbps)と変動要因、特定のスループットを保証しない旨、およびWindowsのリンク速度表示がOSとドライバーの実装を反映した20Gbps固定でありハードウェアの制限を示すものではない旨を記載。ページ表示 Last Reviewed: 05/05/2026。2026-09-21閲覧 ↗