比較・選び方 · 可変リフレッシュレート(VRR)対応モニター

G-SYNCとFreeSyncの認証は何が違う?可変リフレッシュレートの対応範囲と「認証済み」の中身を確認する

可変リフレッシュレート(VRR)は、GPUが描いたフレームに合わせてモニター側の更新間隔を変え、ティアリングを抑える仕組みです。VESAはこれをDisplayPort 1.2aのAdaptive-Syncとして規格化しており、AMDのFreeSyncはこのプロトコルを利用する同社の実装だと説明しています。問題は、店頭に並ぶ「G-SYNC」「G-SYNC Compatible」「FreeSync Premium」「VESA Certified AdaptiveSync」がそれぞれ別の合格条件を持ち、保証している範囲が違うことです。NVIDIAの公式一覧を2026年9月19日に取得して集計すると、専用モジュール搭載のG-SYNC 92機種は全機種が可変オーバードライブ対応で、対応範囲の下限は1Hzと表示されます。一方のG-SYNC Compatible 1,234機種では可変オーバードライブ対応は7機種にとどまり、1,029機種が48Hzからの範囲でした。購入時に見るべきは商標ではなく、対応範囲の下限・上限と、低フレームレート時の扱いです。

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G-SYNCとFreeSyncの認証は何が違う?可変リフレッシュレートの対応範囲と「認証済み」の中身を確認するの流れ:1. 4つの表示は別々の合格条件を持つ、2. NVIDIAの一覧を数えると、区分の差が数字で見える、3. FreeSyncの層とVESAの合格条件:何が保証されるのか、4. 買う前と、つないだ後に確認する
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • ゲーミングモニターを選んでいて、G-SYNCとFreeSyncのどちらを買うべきか決めかねている人
  • VRR対応と書かれたモニターを買ったのに、ティアリングやカクつきが残っている人
  • 手持ちのGPUとモニターの組み合わせで、可変リフレッシュレートが実際に効くのか確認したい人

用意するもの

  • モニターの型番と仕様表(VRRの記載、対応範囲のHz、認証ロゴの記載)
  • GPUの種類とドライバーのバージョン(NVIDIAの一覧は機種ごとに必要なドライバーを明示しています)
  • Windowsの「設定 > システム > ディスプレイ > ディスプレイの詳細設定」で現在の解像度・リフレッシュレート・VRR対応の表示を確認できる状態

1. 4つの表示は別々の合格条件を持つ

土台になっているのはVESAのAdaptive-Syncです。VESAのFAQは、Adaptive-SyncがDisplayPort 1.2aで最初にサポートされ、AMDの「FreeSync」としてもブランド化されていると説明しています。AMDも自社FAQで、DisplayPort Adaptive-SyncはDisplayPortリンクの機能であり業界標準で、FreeSyncはそのプロトコルを使ったAMD独自のハードウェア/ソフトウェア実装だと書き分けています。つまりプロトコルは共通で、その上にメーカーごとの認証が載っている構造です。

認証の中身は同じではありません。NVIDIAは自社のG-SYNCページで、G-SYNC Compatibleを「NVIDIAのプロセッサーを使わないが、ティアリングとスタッタリングのない良好な基本的VRR体験を提供するとNVIDIAが検証したもの」と定義し、G-SYNCは「NVIDIA G-SYNCプロセッサーを搭載し、完全なVRR範囲と可変オーバードライブを提供する」と説明しています。AMDはFreeSyncを3層に分け、VESAは別途、表示性能を実測して合否を出すAdaptiveSync Display/MediaSync Displayのロゴ制度を運用しています。VESAのFAQは、GPUメーカーのロゴとVESAロゴは併用でき、両方を持つ製品は両方の基準を満たしていると述べています。

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1. 4つの表示は別々の合格条件を持つ
表示運用者と合格の考え方読者にとっての意味
G-SYNC / G-SYNC ULTIMATENVIDIA。専用のG-SYNCプロセッサーを搭載し、完全なVRR範囲と可変オーバードライブを提供すると説明対応範囲の下限が低く、フレームレートが大きく変動する場面でも動作が途切れにくい
G-SYNC CompatibleNVIDIA。専用プロセッサーは使わず、良好な基本的VRR体験を提供するとNVIDIAが検証したもの一覧に載っていれば動作確認済み。ただし範囲や可変オーバードライブは機種ごとに異なる
FreeSync / Premium / Premium ProAMD。層ごとに最大リフレッシュレートなどの要件を定め、Radeonと認証済みディスプレイの組み合わせを前提とする層の名前が最大リフレッシュレートとHDR対応の目安になる
VESA Certified AdaptiveSync / MediaSyncVESA。50超の試験項目を第三者のテストセンターで実施し、GPUメーカーの最適化なしで素の性能を測定GPUに依存しない実測ベースの合格証。ロゴには合格した最大リフレッシュレートが入る
ロゴが何も無い「VRR対応」メーカー独自の表記。認証プログラムの合否とは無関係対応範囲のHz表記を仕様表で確認する必要がある

2. NVIDIAの一覧を数えると、区分の差が数字で見える

NVIDIAは対応モニターの一覧を公開しており、機種ごとに区分・パネル・可変リフレッシュレートの範囲・可変オーバードライブの有無・必要なドライバーが表になっています。2026年9月19日にこのページをブラウザーで描画して取得し、表の行をそのまま集計しました(見出し行と絞り込み行を除く1,357行が対象。集計スクリプトと取得データはこの記事の作成記録に保存しています)。数字はNVIDIAの表の転記であり、当サイトで実機を測定したものではありません。

結果ははっきり分かれます。専用モジュールを積むG-SYNCは92機種で、可変オーバードライブは92機種すべてが「Yes」、範囲は91機種が「1-◯◯Hz」という表記でした。G-SYNC ULTIMATEは24機種で、可変オーバードライブ「Yes」が22機種、HDR対応が24機種すべてです。これに対しG-SYNC Compatibleは1,234機種と数が圧倒的に多い一方、可変オーバードライブが「Yes」なのは7機種だけで、1,227機種は「No」でした。範囲の下限は48Hzが1,029機種、40Hzが95機種、60Hzが53機種です。さらにドライバー欄を見ると、G-SYNCは92機種すべて、ULTIMATEは24機種中23機種が「N/A」(追加ドライバー要件なし)ですが、Compatibleは全機種に必要なドライバー版が書かれており、165機種は「Upcoming Driver(今後のドライバー)」でした。

この差が体感に効くのは低フレームレート側です。下限が48Hzや60Hzの機種では、その値を下回った領域の扱いがGPU側の実装に委ねられます。AMDはこの領域をLFC(Low Framerate Compensation)として説明しており、60〜144Hzのディスプレイで40FPSのゲームを動かす場合、フレームを2回表示して80Hzとして同期させる例を挙げ、LFCがあるディスプレイでは実質的に最小リフレッシュレートの制約がなくなるとしています。仕様表で下限のHzを確認し、自分が出せるフレームレートと比べてください。

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2. NVIDIAの一覧を数えると、区分の差が数字で見える
区分(2026年9月19日の一覧、計1,357行)件数と可変オーバードライブ範囲とドライバー欄
G-SYNC(専用モジュール)92機種。可変オーバードライブ「Yes」92機種91機種が1Hzからの範囲表記。ドライバー欄は全機種N/A
G-SYNC ULTIMATE24機種。可変オーバードライブ「Yes」22機種23機種が1Hzからの範囲表記。HDRは24機種すべてYes
G-SYNC Compatible1,234機種。可変オーバードライブ「Yes」7機種、「No」1,227機種下限48Hzが1,029機種、40Hzが95機種、60Hzが53機種。全機種に必要ドライバーの記載があり、165機種は「Upcoming Driver」
G-SYNC Compatible TV7機種。可変オーバードライブはすべて「No」すべてOLEDでHDMI 2.1入力、下限は40Hzまたは48Hz
入力端子の内訳(Compatible)DisplayPort 1,085機種、HDMI 2.1が108機種、HDMI 30機種ほかテレビ側やHDMI接続を前提にする場合は端子の記載も確認する

3. FreeSyncの層とVESAの合格条件:何が保証されるのか

AMDのFreeSyncページは、モニター・テレビ・プロジェクター向けの層別要件を表で公開しています。2026年9月19日時点の表では、ティアフリー、低遅延、LFCの3項目が3層すべてに付き、水平解像度3440未満では最大リフレッシュレートがFreeSyncで144Hz以上、Premium・Premium Proで200Hz以上、水平解像度3440以上ではPremiumとPremium Proが120Hz以上、AMD FreeSync HDRはPremium Proのみという構成です。ノートPC向けの表は別で、FreeSyncが40〜60Hz、PremiumとPremium Proが120Hz以上となっています。なお同じページのFAQには「AMD FreeSync PremiumおよびFreeSync Premium Pro層のディスプレイはすべて必須のLFC要件を満たすよう認証されている」という、層表より狭い書き方も残っているため、購入時は層表と製品の仕様表の両方を確認するのが安全です。

VESAの認証は方向性が違い、実測での合否です。AdaptiveSync Display 1.1の合格条件は公開されており、ゲーム向けのAdaptiveSyncロゴは「Adaptive-Sync動作の最大リフレッシュレート範囲144Hz以上」「最小リフレッシュレート範囲60Hz以下」「工場出荷時のオーバードライブ設定で64回のGray to Gray試験の平均が5ms以下」などを求めます。映像再生向けのMediaSyncは「最大60Hz以上」「最小48Hz以下」で、G2Gの平均値の要件はありません。VESAのFAQは、144Hzを最低ラインにした理由を「プレミアムなロゴ制度として高い下限を設定したかったため」と説明し、ロゴには144・160・240といった実際に合格した周波数がそのまま入るとしています。

GPU側の条件も確認が要ります。AMDはFAQで、FreeSyncの利用には対応ディスプレイ、FreeSync対応のAPUまたはGPU、最新ドライバーが必要だとし、対応GPUは2013年のRadeon RX 200シリーズ以降とGCN 2.0以降の製品、さらに「DisplayPort Adaptive-Syncに対応するNVIDIA GeForce 10シリーズ以降などの他社GPUも動作が見込まれるが、GPUメーカーに確認してほしい」と書いています。AMDは同じFAQで、VESAのAdaptiveSync認証がAMDのFreeSync認証と必ずしも同じではないとも明言しています。

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3. FreeSyncの層とVESAの合格条件:何が保証されるのか
基準要件(公式表記)確認できること
FreeSync(モニター等)ティアフリー・低遅延・LFC。水平解像度3440未満で最大144Hz以上最低限の最大リフレッシュレートが担保される
FreeSync Premium / Premium Pro上記に加え、3440未満で200Hz以上、3440以上で120Hz以上。Premium ProはFreeSync HDRあり高リフレッシュレートとHDRの有無が層で分かる
FreeSync(ノートPC)FreeSyncは40〜60Hz、PremiumとPremium Proは120Hz以上ノートPC内蔵画面では層の意味が異なる
VESA AdaptiveSync Display 1.1最大リフレッシュレート範囲144Hz以上、最小60Hz以下、64回のG2G平均5ms以下、フリッカー−50dBGPUの最適化なしで測った応答と範囲の実測合格
VESA MediaSync Display最大60Hz以上、最小48Hz以下。高変動試験のフリッカー試験とG2G平均の要件なし動画再生向けで、ゲーム用途の保証ではない
GPU側の条件(AMD)対応ディスプレイ、FreeSync対応APU/GPU、最新ドライバー。他社GPUは「動作が見込まれる」扱い手持ちGPUとの組み合わせはメーカーに確認する必要がある

4. 買う前と、つないだ後に確認する

仕様表では、ロゴ名より対応範囲の数字を見ます。たとえばASUSのProArt PA278CGVの仕様表は、VRR Technologyを「Yes(Adaptive-Sync)」と書き、認証欄に「AMD FreeSync Premium」を挙げ、信号周波数として「USB-C、DisplayPort:垂直30〜144Hz」「HDMI:垂直24〜144Hz」と端子別に記載しています。ここまで分かれば、下限のHzと接続端子ごとの上限を比べられます。VESAの認証を確認したい場合は、AdaptiveSync公式サイトの認証製品リストが公開されていますが、同リストには「VESA認証製品のすべてが公開掲載を許可されているわけではなく、この一覧はVESA会員が公表を承認した製品だけを含む」という注記があるため、載っていない=未認証とは言い切れません。

接続後はWindowsで確認します。Microsoftのサポート記事によると、「設定 > システム > ディスプレイ > ディスプレイの詳細設定」のディスプレイ情報に、現在の解像度とリフレッシュレートに加えて、そのディスプレイが可変リフレッシュレート(VRR)に対応しているかが表示されます。同じ記事は、Windows 11の動的リフレッシュレート(DRR)がVRR対応かつ120Hz以上のディスプレイを必要とし、VRR向けに作られたゲームには影響しないものの、それ以外のゲームでは最大リフレッシュレートが制限されることがあるため、フレームレートが低く見えるときはDRRを無効にするのが最善の緩和策だと説明しています。VRRを買ったのに効いていないと感じたら、ここを最初に見てください。

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4. 買う前と、つないだ後に確認する
確認する場所見る内容判断の目安
モニターの仕様表VRRの記載、認証名、端子ごとの垂直周波数(例:ASUS PA278CGVは30〜144Hz)下限のHzが自分の出せるフレームレートより十分低いか
NVIDIAの対応一覧区分、可変オーバードライブ、必要ドライバー版「Upcoming Driver」の機種は現時点で対応ドライバーが出ていない
AMDの層表層ごとの最大リフレッシュレート要件とHDRの有無Premium以上かどうかで最大リフレッシュレートの下限が変わる
AdaptiveSync認証製品リスト合格した最大リフレッシュレートの表記未掲載=未認証ではない(公開承認済みの製品のみ掲載との注記あり)
Windowsのディスプレイの詳細設定現在のリフレッシュレートとVRR対応の表示VRR非対応と出るなら端子・ケーブル・ドライバー側を先に確認する
動的リフレッシュレート(DRR)Microsoft:VRR対応かつ120Hz以上が必要。VRR非対応ゲームでは最大値が制限されることがあるゲームが低いリフレッシュレートで動くように見える場合はDRRを無効化する

注意点・利用条件

  • 件数と内訳は、2026年9月19日にNVIDIAの対応モニター一覧ページをブラウザーで描画し、表の行(見出しと絞り込み行を除く1,357行)を区分ごとに数えた結果です。NVIDIAの掲載内容は随時更新されるため、購入時は同じページで最新の記載を確認してください。数値はNVIDIAの表の集計であり、当サイトによる実機測定ではありません。
  • AMDのFreeSyncページは、層別要件の表ではLFCを3層すべてに付けている一方、同じページのFAQでは「PremiumおよびPremium Pro層のディスプレイはすべて必須のLFC要件を満たすよう認証されている」と書いています。表記が一致しないため、LFCを重視する場合は購入候補の製品ページでも確認してください。
  • この記事は価格・在庫・ランキングを扱わず、実機でのティアリングや遅延の測定も行っていません。掲載した条件はNVIDIA、AMD、VESA、Microsoft、ASUSの公表資料の記載です。

よくある質問

GeForceのGPUでFreeSyncモニターを使えますか?

NVIDIAは、検証した機種をG-SYNC Compatibleとして一覧に掲載しており、機種ごとに必要なドライバー版も示しています。AMD側のFAQも、DisplayPort Adaptive-Syncに対応するNVIDIA GeForce 10シリーズ以降などの他社GPUについて「動作が見込まれるが、GPUメーカーに確認してほしい」と書いています。確実性を求めるなら、購入候補がNVIDIAの一覧に載っているか、必要ドライバーが「Upcoming Driver」ではないかを確認してください。

可変オーバードライブがないと何が困りますか?

オーバードライブは応答を速く見せる補正で、最適な強さはリフレッシュレートによって変わります。NVIDIAは、専用プロセッサーを積むG-SYNCの説明で完全なVRR範囲と可変オーバードライブを挙げています。AMDは、可変オーバードライブはFreeSyncと完全に互換だがディスプレイメーカーの差別化要素であり、AMDとしては必須にせず推奨にとどめていると説明しています。2026年9月19日のNVIDIAの一覧では、G-SYNC Compatible 1,234機種のうち可変オーバードライブ「Yes」は7機種でした。フレームレートが大きく上下する遊び方をする場合に差が出やすい項目です。

VESA Certified AdaptiveSyncのロゴがあれば、G-SYNCやFreeSyncの認証は不要ですか?

目的が違うため置き換えにはなりません。VESAのFAQは、VESAの認証はGPUメーカーの最適化を入れずにディスプレイ単体の性能を測るものだと説明し、GPUメーカーのロゴとの併用にも制限はなく、両方のロゴを持つ製品は両方の基準を満たしていると述べています。使いたいGPUでの動作確認を重視するならメーカー側の一覧を、応答や範囲の実測値を重視するならVESAのロゴを見る、という使い分けになります。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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