比較・選び方 · 液晶モニターの画素欠点(輝点・黒点/滅点・明点)の定義と、メーカーが提供する無輝点保証の条件(対象機種、期間、除外事項、救済の内容)

モニターのドット抜けは交換対象か:輝点・黒点・明点の違いと「無輝点保証」を買う前に確認する

ドット抜けの相談は、見た目はトラブルですが中身は購入判断の問題です。救済されるかどうかは、注文する前に読めたはずの保証条件で決まっているからです。EIZOは画素欠点を輝点・黒点・明点の3種類に分けて定義し、「当社規格に基づき、数点の画素欠点につきましては、良品と判断させていただいており、故障や初期不良品ではございません」と記載しています。そのうえで無輝点保証という別の制度があり、条件は購入から6か月・輝点が1点もないこと・対象機種であること。アイオーデータにも同名の保証がありますが、期間は購入から1か月で、救済は本体の交換です。つまり「無輝点保証があるメーカーだから安心」とは言えません。この記事は、自分の点がどの種類かを判別する手順と、どのメーカーのページでも使える5つの確認項目を示します。

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モニターのドット抜けは交換対象か:輝点・黒点・明点の違いと「無輝点保証」を買う前に確認するの流れ:1. まず、その点がどの種類かを判別する、2. 「規格内」は故障ではない、という前提、3. 実在する2社の無輝点保証を並べて比べる、4. 除外事項は「光って見えるのに対象外」の形で来る、5. どのメーカーのページでも使える5つの確認項目、6. 送る前に知っておくこと、この記事が扱わないこと
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • 買ったばかりのモニターに常時光る点や光らない点を見つけた人
  • 「ドット抜け保証」「無輝点保証」という表記の意味を正確に知りたい人
  • モニターを注文する前に、画素欠点まわりの条件を確認しておきたい人

用意するもの

  • 画面を柔らかい乾いた布で拭き、水滴や汚れを落とす(汚れが輝点に見えることがあります)
  • 全面が黒一色の画像と、全面が白一色の画像を用意して全画面表示できるようにする
  • 購入日が分かるレシートまたは領収書と、モニターの正確な型番を手元に置く

1. まず、その点がどの種類かを判別する

画素欠点は1種類ではありません。EIZOのFAQは、液晶パネルの画素欠点を輝点・黒点・明点の3種類に分けたうえで、それぞれに「どの背景で見えるか」を添えて定義しています。この一文が、読者が自分の症状を自力で分類できる実用的な鍵になります。

手順は簡単です。全面黒の画像を全画面表示して、常時光っている点があれば輝点です。全面白の画像を全画面表示して、白以外に見える点があれば黒点です。白っぽく光る点や線状のものは明点に分類されます。判別する前に必ず画面を拭いてください。アイオーデータのページも「水滴、汚れなどが輝点に見えてしまう場合がある」として、柔らかい乾いた布での清掃を案内しています。

この分類が重要なのは、救済の対象になりうるのが基本的に輝点だけだからです。EIZOは黒点について「全ての製品において、当社規格内の黒点は良品となります。」と明記しています。つまり「光らない点」については、どのモデルを選んでも保証による交換は期待できません。

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1. まず、その点がどの種類かを判別する
種類定義(EIZOの記載)見えやすい背景保証の扱い
輝点赤・緑・青のいずれかのサブピクセルが常に光っている欠点黒背景で見える(白背景では見られない)無輝点保証の対象製品であれば、条件を満たす場合に救済がある
黒点赤・緑・青色のサブピクセルのうち、いずれかの画素が常時光らない欠点白背景で見える(黒背景では見られない)「全ての製品において、当社規格内の黒点は良品となります」
明点異物による影響やカラーフィルター/クロムマスクの破れにより、白っぽく光っている点(線)状のもの背景によらず白っぽく見える希望すればメンテナンスセンターでの検査・点検を受けられるが、規格内と判断されればそのまま返却される

2. 「規格内」は故障ではない、という前提

読者にとっていちばん納得しにくいのが、この前提です。EIZOのFAQは「液晶パネルは非常に精密度の高い技術で作られておりますが、正常に動作しない画素(画素欠点)が存在する場合がございます。」としたうえで、「現在の製造技術では、画素欠点が完全に無い液晶パネルを製造するのは困難です。」「当社規格に基づき、数点の画素欠点につきましては、良品と判断させていただいており、故障や初期不良品ではございません事を予めご了承ください。」と述べています。

つまり、数点の画素欠点があるモニターは、メーカーの立場では不良品ではなく良品です。「初期不良だから交換してもらえるはずだ」という前提で話を進めると、話が噛み合いません。救済されるとしたら、それは初期不良としてではなく、別途用意された保証制度によってです。

なお、その「当社規格」が具体的に何点までを指すのかは、ここで読んだ2ページのどちらにも数値として公開されていません。当サイトは数値を推測して補うことはしません。「上限は公開されていない」というのが、観察できた事実です。

3. 実在する2社の無輝点保証を並べて比べる

「無輝点保証」は業界共通の規格名ではなく、各社がそれぞれの条件で提供している制度です。同じ名前でも中身が違います。下の表は、EIZOとアイオーデータが自社のページで公開している条件を並べたものです(いずれも2026-09-20閲覧)。

決定的な差は期間です。EIZOは「2015年9月1日以降にご購入された製品に輝点があった場合、ご購入から6か月以内であれば当社にて確認後、無償で液晶パネル交換を行います。」としています。アイオーデータは「輝点が1つでも確認され、ご購入日から1か月以内である対象商品の場合、交換いたします。」です。6か月と1か月では、買ってから確認するまでの猶予がまったく違います。

救済の内容も違います。EIZOは液晶パネルの交換、アイオーデータは商品の交換(センドバック方式、送料は同社負担)と記載しています。どちらも輝点が1点も無いことを求めている点は共通で、1点でもあれば救済の対象になるという読み方になります。

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3. 実在する2社の無輝点保証を並べて比べる
項目EIZO 無輝点保証アイオーデータ 無輝点保証
期間お買い上げの日から6か月間ご購入日から1か月以内
輝点の数の条件1点もないこと輝点が1つでも確認された場合に交換
輝点の定義画面の背景に黒色を表示した際、赤・青・緑で常時点灯しているサブピクセル。1つのサブピクセル全体が点灯する輝点が保証の対象赤・緑・青色のサブピクセルのうち常時点灯しているもの。1つのサブピクセルが点灯している輝点を保証の対象とする
救済の内容当社にて確認後、無償で液晶パネル交換確認後に交換。センドバック方式で送料は同社負担
対象2015年9月1日以降に購入した対象機種。FlexScanの個別型番およびそれ以降のIPSパネル搭載EVシリーズ(EV4340Xを除く)とFlexScan FLT、全ColorEdge、全FORISなど対象商品一覧に掲載された商品(プレミアムパネル採用商品)
除外の例サブピクセルの一部が暗く光るもの、サブピクセルの全部が光っていないもの、異物が原因で光って見えるもの、背景が白色に対し白色以外に見えるもの(黒点)サブピクセルの一部が点灯している場合、サブピクセルの全部が点灯していない場合、背景が白色の場合に白色以外に見えるもの(滅点)

4. 除外事項は「光って見えるのに対象外」の形で来る

両社とも、光って見える点のすべてが対象になるわけではないことを明示しています。EIZOは「光って見える場合でも、下記例のものは保証対象外です。」として、サブピクセルの一部が暗く光るもの、サブピクセルの全部が光っていないもの、異物が原因で光って見えるもの、背景が白色に対し白色以外に見えるもの(黒点)の4つを挙げています。

アイオーデータも同様に3つを挙げています。サブピクセルの一部が点灯している場合、サブピクセルの全部が点灯していない場合、背景が白色の場合に白色以外に見えるもの(同社の表記では「滅点」)です。用語がメーカーによって違う点にも注意してください。EIZOは「黒点」、アイオーデータは「滅点(黒点)」と書いています。

ここから導かれる実務的な注意は、EIZOが言う「1つのサブピクセル全体が点灯する輝点」に当たるかどうかが分かれ目になる、ということです。うっすら光る、部分的に光る、といった状態は除外側に入る可能性があります。自分で完全に判定できるとは限らないので、該当しそうな場合はメーカーの窓口に型番と症状を伝えて確認するのが確実です。

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4. 除外事項は「光って見えるのに対象外」の形で来る
見え方EIZOの扱いアイオーデータの扱い
1つのサブピクセル全体が常時点灯している無輝点保証の対象無輝点保証の対象
サブピクセルの一部だけが光っている対象外(一部が暗く光るもの)対象外
サブピクセルがまったく光っていない対象外対象外
異物が原因で光って見える対象外記載なし(明点に相当する説明は同社のページにない)
白背景で白以外に見える対象外(黒点)対象外(滅点)

5. どのメーカーのページでも使える5つの確認項目

この記事で読んだ2社の条件は、そのまま他社に当てはめられません。EIZOの6か月をアイオーデータに当てはめれば5か月ぶん間違いますし、その逆も同じです。使えるのは条件の「形」のほうで、下の5項目はどのメーカーのページでも同じ順番で確認できます。

特に3番目の型番の確認を飛ばさないでください。EIZOの対象機種の記載は「発売日が2015年9月1日以降のIPSパネルを搭載したFlexScan EVシリーズ(EV4340Xを除く)」というように、ルールの中に個別の除外が埋め込まれています。「このブランドには無輝点保証がある」という覚え方では、除外された型番を選んでしまう可能性があります。

注文する前にこの5項目を確認するのが、この記事のいちばん実用的な使い方です。期間が短い保証ほど、買ってから確認するまでの時間が効いてきます。届いたらまず黒一色と白一色を表示する、という習慣にしておくと、期間内に気づけます。

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5. どのメーカーのページでも使える5つの確認項目
確認項目何を探すか見落としたときに起きること
1. 画素欠点の定義があるかそのメーカーが輝点・黒点などをどう定義しているか自分の症状がどれに当たるか判断できない
2. 通常の製品保証とは別の保証があるか無輝点保証のような画素欠点専用の制度の有無製品保証だけを見て「保証期間内だから大丈夫」と誤解する
3. 自分の型番が対象一覧にあるか対象機種の一覧と、ルール内の個別除外ブランド単位で覚えて、除外された型番を買ってしまう
4. 期間がいつまでか購入日からの日数。製品保証より短いことが多い気づいたときには期間を過ぎている
5. 除外事項に当たらないか部分点灯、非点灯、異物、白背景での黒点など送ってから対象外と判定される

6. 送る前に知っておくこと、この記事が扱わないこと

明点についてEIZOは「ご希望の場合は、EIZOメンテナンスセンターにて製品の検査・点検を承ります。」としたうえで、「点検後、当社規格内と判断された場合はそのままご返却をさせていただきますことを予めご了承ください。」と記載しています。つまり、送っても何も変わらずに戻ってくる結末がありえます。梱包して送る手間をかける前に、この可能性を織り込んでおいてください。

この記事は販売店の返品規定を扱いません。返品を受けるかどうかは販売店の規定であってメーカーの保証とは別の話で、当サイトは販売店のページを読んでいません。同様に、購入時に付けられる有料のドット抜け補償オプションの是非も評価しません。

ISOの画素故障クラスのような国際規格の数値も扱いません。この記事の準備でISOの文書は一切開いていないためです。二次情報の要約を根拠に「何点までは規格内」と書くことはしません。有機ELの焼き付きは画素欠点とは別の現象なので、当サイトのOLEDモニターの記録を参照してください。

注意点・利用条件

  • 画面を押す、こする、温める、いわゆる「ドット抜け解消ソフト」を使うといった対処は、この記事で読んだどの出典にも支持されていません。パネルを押すと損傷の原因になります。
  • 規格内の画素欠点をメーカーは初期不良として扱いません。EIZOは「故障や初期不良品ではございません」と明記しています。交渉の前提を間違えないでください。
  • この記事で引いた条件はEIZOとアイオーデータのものです。他のメーカーに当てはめることはできませんし、いずれも日本国内向けのページの記載です。
  • 「当社規格」が何点までを指すのかは、読んだ2ページのいずれにも数値として公開されていません。上限の数値を前提に判断しないでください。

よくある質問

点が1つあります。初期不良として交換してもらえますか。

メーカーの立場では、規格内の画素欠点は初期不良ではありません。EIZOは「当社規格に基づき、数点の画素欠点につきましては、良品と判断させていただいており、故障や初期不良品ではございません」と記載しています。救済されるとすれば、初期不良としてではなく、無輝点保証のような別制度によってです。まず自分の点が輝点かどうかを黒背景で確認し、次にその型番が対象一覧にあるか、期間内かを確認してください。

「無輝点保証」はどのメーカーでも同じ内容ですか。

違います。期間だけを見ても、EIZOは購入から6か月、アイオーデータは購入から1か月です。救済の内容も、前者は液晶パネルの交換、後者は商品の交換です。対象機種の範囲も各社が個別に定めています。名前が同じでも条件は別物として確認してください。

光らない点(黒点)は交換の対象になりますか。

EIZOは「全ての製品において、当社規格内の黒点は良品となります。」と記載しています。アイオーデータも、背景が白色の場合に白色以外に見えるもの(滅点)を保証対象外に挙げています。つまり、読んだ2社についてはいずれも黒点は無輝点保証の対象外です。

買う前に確認するとしたら、どこを見ればよいですか。

5つあります。そのメーカーが画素欠点をどう定義しているか、通常の製品保証とは別の画素欠点専用の保証があるか、自分が買おうとしている型番がその対象一覧に入っているか、期間が購入日から何日間か、そして除外事項に当たらないか、です。特に型番の確認は飛ばさないでください。EIZOの対象機種の記載のように、ルールの中に個別の除外が埋め込まれていることがあります。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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