比較・選び方 · 日本の無線LAN用周波数帯(2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯)の技術基準と運用場所の制限、6GHz帯のLPI/VLPの電力モード区分

日本の6GHz帯Wi-Fiの決まり:320MHzは何チャネル取れるのか、屋外で使えるのはどの機器か

「Wi-Fi 7の規格が320MHzに対応している」ことと「日本で320MHz幅が取れる」ことは別の話です。総務省の電波利用ポータルが公開している技術基準の比較表によれば、日本で無線LANに割り当てられている6GHz帯は5925MHz〜6425MHzで、占有周波数帯幅は20/40/80/160/320MHz、対応するチャネル数は24/12/6/3/2とされています。つまり320MHz幅を取れるのは2チャネル分です。また6GHz帯には屋内限定のLPI(e.i.r.p. 200mW)と屋外でも使えるVLP(e.i.r.p. 25mW)という2つの電力モードの区分があり、屋内には列車内・船舶内・航空機内が含まれ、自動車内は屋外扱いです。この記事は、買う前に制度の側から確認すべき点を整理します。出力を上げる方法や屋内専用機器を屋外で使う方法は扱いません。

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日本の6GHz帯Wi-Fiの決まり:320MHzは何チャネル取れるのか、屋外で使えるのはどの機器かの流れ:1. 日本の6GHz帯はどこまでか、そして320MHzは何チャネル分か、2. 屋内限定のLPIと、屋外でも使えるVLP、3. 5GHz帯との違い:DFSと、屋外で使える帯域、4. 制度がいつ整ったか(改正履歴)、5. 買う前のチェックリスト、6. この記事が扱わないこと
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • 箱に「320MHz対応」と書かれたWi-Fi 7ルーターを買おうとしている人
  • 庭・ベランダ・駐車場など屋外にWi-Fiを飛ばしたいと考えている人
  • 海外のレビューで見る6GHz帯のチャネル図と、日本の製品説明が食い違う理由を知りたい人

用意するもの

  • 設置場所が屋内だけか、屋外にも電波を出したいのかをはっきりさせる
  • 候補のルーターの製品ページで、対応する周波数帯と帯幅、屋内/屋外の使用条件の記載を探す
  • PC側の条件(Windowsの版と無線アダプター)は別の話なので、当サイトのWindows側の機能要件の記録も合わせて見る

1. 日本の6GHz帯はどこまでか、そして320MHzは何チャネル分か

総務省の電波利用ポータル「小電力データ通信システム(無線LAN等)」は、無線LAN等に割り当てられている周波数帯として、2.4GHz帯(2400〜2483.5MHz)、日本専用帯域の2.4GHz帯(2471〜2497MHz)、5GHz帯(5.2GHz帯:5150〜5250MHz、5.3GHz帯:5250〜5350MHz、5.6GHz帯:5470〜5730MHz)、6GHz帯(5925MHz〜6425MHz)を挙げています(2026-09-20閲覧)。

同じページの技術基準の比較表では、6GHz帯の占有周波数帯幅が20/40/80/160/320MHz、チャネル数が24/12/6/3/2とされています。並びは帯幅の順なので、320MHz幅に対応するチャネル数は2です。「320MHz対応」という表記が意味するのは、この2チャネル分の余地に対する対応です。

この数値は日本の制度に基づくものです。6GHz帯の割当幅は国によって異なるため、海外のレビューやチャネル図をそのまま日本に当てはめることはできません。ただし当サイトは他国の割当幅を一次情報で確認していないので、具体的にどの国がどれだけ広いかは書きません。

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1. 日本の6GHz帯はどこまでか、そして320MHzは何チャネル分か
項目2.4GHz帯(2400〜2483.5MHz)5.2GHz帯(5150〜5250MHz)5.3GHz帯(5250〜5350MHz)5.6GHz帯(5470〜5730MHz)6GHz帯(5925〜6425MHz)
占有周波数帯幅26/40MHz20/40/80/160MHz20/40/80/160MHz20/40/80/160MHz20/40/80/160/320MHz
チャネル数3/1ch4/2/1/1ch4/2/1/1ch12/6/3/1ch24/12/6/3/2ch
DFS不要不要必要必要不要
運用場所の制限屋内及び屋外(上空利用できます)屋内及び自動車内屋内のみ屋内及び屋外(ただし、上空利用は除く。)LPI:屋内のみ/VLP:屋内及び屋外(ただし、上空利用は除く。)
空中線電力無線LAN 260mW/200mW、その他 10mW屋内 200mW、自動車内 40mW200mW200mW(e.i.r.p.)1W屋内(LPI) (e.i.r.p.)200mW/屋外(VLP) (e.i.r.p.)25mW

2. 屋内限定のLPIと、屋外でも使えるVLP

同じページの「6GHz帯」の節は、6GHz帯には「屋内使用限定のLPI (Low Power Indoor)と屋外使用可能なVLP (Very Low Power)の2つの電力モードがあります」と説明し、屋外で使う場合は機器の電力モードを確認するよう案内しています。LPIは送信電力がe.i.r.p. 200mW相当で屋内のみ、VLPはそれより小さいe.i.r.p. 25mW相当で屋外でも使えますが上空では使えません。

さらに同ページは、屋外での使用を防止するため、LPIの親局(アクセスポイント)には電源や構造に関する技術的条件が定められている、としています。つまり屋内向けのアクセスポイントを屋外設置に流用するという発想そのものが制度の前提から外れます。

「屋内」の定義も注意が必要です。同ページの注記は、屋内には列車内・船舶内・航空機内が含まれ、自動車内は含まれない(自動車内は「屋外」扱い)としています。車の中で6GHz帯の機器を使う場面を考えている人は、この点が直接効いてきます。

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2. 屋内限定のLPIと、屋外でも使えるVLP
区分空中線電力使える場所備考(総務省の記載)
LPI(Low Power Indoor)e.i.r.p. 200mW相当屋内のみ(列車内・船舶内・航空機内を含む。自動車内は含まない)屋外での使用を防止するため、親局には電源や構造に関する技術的条件が定められている
VLP(Very Low Power)e.i.r.p. 25mW相当屋内及び屋外。上空では使用できないLPIモードよりも送信電力が小さい
LPI端末間通信(子局間通信)LPIの条件に準じる屋内受信するLPI親局の信号強度が-95 dBm/MHz以上のときのみ動作すること、信号強度の確認頻度は少なくとも4秒に1回、という技術基準が追加される
VLP端末間通信VLPの条件に準じる屋内及び屋外特に技術的条件がなく、屋外でも利用可能と記載されている

3. 5GHz帯との違い:DFSと、屋外で使える帯域

6GHz帯はDFSが「不要」とされています。一方5.3GHz帯と5.6GHz帯では、屋外利用のページの注記が「5.3GHz帯及び5.6GHz帯については、DFS機能の具備が必須(屋内・屋外問わず)」としています。これは気象レーダー等と周波数を共用しているためで、同じページは5GHz帯について「他の無線システム(例えば、5GHz帯では気象レーダー等)と周波数を共用しています」と説明しています。

ここで因果を断定しないことが大事です。制度上DFSが不要であることと、実際に通信が安定するかどうかは別の問題です。当サイトは測定を行っていないので、「6GHzのほうが途切れにくい」とは書きません。言えるのは、レーダー回避のしくみが必要とされる帯域とそうでない帯域がある、という制度上の違いだけです。

屋外利用については、もう1つ実用的な記載があります。屋外利用のページは、5.2GHz帯について「モバイルルーターやスマートフォンの テザリング機能については、5.2GHz帯を屋外で利用できません 。テザリングは従来どおり屋内のみ」と述べています。屋外でテザリングを使う前提の人は、この点を製品の対応帯域と合わせて確認してください。

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3. 5GHz帯との違い:DFSと、屋外で使える帯域
帯域屋内利用屋外利用上空利用
2.4GHz帯(2400-2497MHz)
5.2GHz帯(5150-5250MHz)条件付き条件付き
5.3GHz帯(5250-5350MHz)不可不可
5.6GHz帯(5470-5730MHz)不可
6GHz帯(5925-6425MHz)LPIは不可、VLPは可不可

4. 制度がいつ整ったか(改正履歴)

電波利用ポータルの参考情報の節には制度改正履歴が掲載されています。そこには「令和4年9月2日改正」として「6GHz帯(5925〜6425MHz)無線LANを導入。」「5.2GHz帯(5150〜5250MHz)自動車内無線LANを導入。」が、「令和5年12月22日改正」として「IEEE 802.11be規格の導入のための制度改正を実施。」「6GHz帯LPI端末間通信(子局間通信)を導入。」「5.2GHz帯自動車内無線LANの見直しを実施。」が記載されています(2026-09-20閲覧)。

つまりWi-Fi 7の基になるIEEE 802.11beが日本の制度に入ったのは令和5年12月22日の改正です。「Wi-Fi 7はいつから日本で使えるようになったのか」という問いには、この一次情報で答えられます。

同じ履歴には「令和元年7月11日改正」としてIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)の導入と5.6GHz帯の144chの追加も記載されています。制度は改正されるので、この記事の内容は観察日時点のものとして読んでください。

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4. 制度がいつ整ったか(改正履歴)
改正内容(総務省の記載)読者にとっての意味
令和4年9月2日改正6GHz帯(5925〜6425MHz)無線LANを導入。5.2GHz帯(5150〜5250MHz)自動車内無線LANを導入。日本で6GHz帯の無線LANが制度化された時期
令和5年12月22日改正IEEE 802.11be規格の導入のための制度改正を実施。6GHz帯LPI端末間通信(子局間通信)を導入。5.2GHz帯自動車内無線LANの見直しを実施。Wi-Fi 7の基になる規格が日本の制度に入った時期
令和元年7月11日改正IEEE 802.11ax規格の導入のための制度改正を実施。5.6GHz帯の周波数拡張(144chの導入)を実施。Wi-Fi 6の導入時期。中古機器の対応を考えるときの目安

5. 買う前のチェックリスト

第一に、設置場所を決めます。屋内だけならLPIの機器で問題ありません。屋外にも電波を出したい場合は、6GHz帯で許されるのはVLP(e.i.r.p. 25mW相当)に限られるので、その表示がある機器かどうかを製品ページで確認します。屋内向け機器を屋外設置に流用することはできません。

第二に、320MHz幅に期待している場合は、日本の6GHz帯でその幅を取れるのが2チャネル分であることを前提にします。近隣と重なりにくいことを過度に期待しないほうがよい、という程度の見立ては立ちますが、当サイトは実際の電波環境を測定していないので、混雑の度合いを断定することはしません。

第三に、PC側の条件は別に揃える必要があります。MicrosoftはWi-Fi 7について「Windows 11 バージョン 24H2 以降、Wi-Fi 7 対応のネットワーク アダプター、および対応するドライバーが必要」とし、マルチリンク操作・320MHzチャネル・WPA3を含む全機能にはルーターまたはアクセスポイント側の対応も必要としています。当サイトのWindows 11の機能別要件の記録で詳しく扱っています。

6. この記事が扱わないこと

出力を上げる方法、屋内専用(LPI)の機器を屋外で使う方法、海外向けの設定に切り替える方法は扱いません。電波法に関わる事項であり、当サイトはその種の手順を掲載しません。

速度の数値も扱いません。「6GHzなら何Mbps出る」といった記述は測定に基づかないため書きません。同様に、特定の製品を挙げて「この機種はVLPだ」と断定することもしません。機器の電力モードの区分は、メーカーの表示で確認する事項です。

屋外利用のページには、令和6年12月の情報通信審議会の一部答申を受けて令和7年4月から上空利用が条件付きで可能になった旨が記載されていますが、これは5.2GHz帯についての記載であり、6GHz帯の話ではありません。混同しないでください。6GHz帯は上空利用が不可とされています。

注意点・利用条件

  • 屋内限定(LPI)の機器を屋外に設置して使うことはできません。総務省のページは、屋外での使用を防止するためLPIの親局に電源や構造に関する技術的条件が定められている、と記載しています。
  • 「屋内」には列車内・船舶内・航空機内が含まれますが、自動車内は含まれません(自動車内は屋外扱い)。車内での使用を考えている場合はこの区分が効いてきます。
  • 6GHz帯でDFSが不要とされていることは、通信が安定することを意味しません。制度上の要件の有無と実際の通信品質は別の問題で、当サイトは測定を行っていません。
  • 屋外利用のページにある令和7年4月からの上空利用の緩和は5.2GHz帯に関する記載です。6GHz帯は上空利用が不可とされています。

よくある質問

「320MHz対応」と書いてあるのに、160MHzでしかつながりません。

まず前提として、日本の6GHz帯で320MHz幅を取れるのは2チャネル分です(帯幅20/40/80/160/320MHzに対してチャネル数24/12/6/3/2)。そのうえで、実際に何MHz幅でつながるかはルーターの設定、端末側の対応、周囲の電波環境で変わります。当サイトは特定の環境を測定していないため、原因を1つに断定することはできません。まずルーターの設定画面で6GHz帯の帯域幅の設定と、端末側の対応状況を確認してください。

ベランダや庭にアクセスポイントを置いてもよいですか。

6GHz帯については、屋外で使えるのはVLP(e.i.r.p. 25mW相当)に限られます。LPI(屋内限定)の機器を屋外に設置することはできません。5GHz帯を使う場合は、5.3GHz帯が屋内のみ、5.6GHz帯は屋外で使用可能(上空は除く)という区分になります。実際にどのモードの機器かは、メーカーの表示で確認してください。

海外のレビューで見る6GHzのチャネル数と日本の数が違うのはなぜですか。

6GHz帯に割り当てられている範囲が国によって異なるためです。日本では5925MHz〜6425MHzが無線LANに割り当てられていると総務省が記載しています。他国の具体的な割当幅については当サイトが一次情報で確認していないので、数値の比較は行いません。日本向けの判断には日本の制度の数値を使ってください。

外出先でスマートフォンのテザリングを使いたいのですが、制約はありますか。

総務省の屋外利用のページには、5.2GHz帯について「モバイルルーターやスマートフォンの テザリング機能については、5.2GHz帯を屋外で利用できません。テザリングは従来どおり屋内のみ」という記載があります。屋外でテザリングを使う場合は、機器が使用する周波数帯を確認してください。6GHz帯については、屋外で使えるのはVLPの機器に限られます。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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