比較・選び方 · 電気用品安全法(昭和三十六年法律第二百三十四号)、電気用品安全法施行令(昭和三十七年政令第三百二十四号)、電気用品安全法施行規則(昭和三十七年通商産業省令第八十四号)に定められた表示の方式と販売の制限

海外通販の充電器・電源タップ・モバイルバッテリーを買う前に:PSEマークと事業者名を法令の条文から確認する

海外通販で安いUSB充電器や電源タップ、モバイルバッテリーを見かけたとき、確認すべきものははっきりしています。電気用品安全法は、表示が付いていない電気用品を販売し、または販売の目的で陳列してはならないと定めており(第二十七条)、表示の方式は省令で決められています。省令の第十七条によれば、表示すべきものはマークだけではありません。届出事業者の氏名または名称が必ず伴い、特定電気用品の場合はさらに検査機関の名称も付きます。つまり「マークらしき図形はあるが会社名がない」製品は、省令が定める方式を満たしていないことになります。この記事は2026-09-20にe-Gov法令APIから法・政令・省令の条文を取得して読み、購入前に何を見ればよいかを整理します。無線の技適マークとは別の制度で、根拠法も違います。この記事は条文の紹介であり、法的助言ではありません。

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海外通販の充電器・電源タップ・モバイルバッテリーを買う前に:PSEマークと事業者名を法令の条文から確認するの流れ:1. 販売の条件として法律に書かれている、2. マークだけでは足りない:省令が定める表示の中身、3. 特定電気用品とそれ以外で、事業者が通る手続きが違う、4. モバイルバッテリーは、条件付きで対象になる、5. 技適マークとは別の制度。購入前の確認手順
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • 海外通販サイトで充電器・電源タップ・ACアダプターを買おうとしている人
  • モバイルバッテリーが規制の対象なのかを確認したい人
  • PSEマークが何を意味しているのか、根拠から知りたい人

用意するもの

  • 候補の製品ページで、本体または製品写真にマークと会社名の表示があるかを確認できるようにしておく
  • 出品者が日本国内の事業者か、国外の事業者かを確認する
  • 同じ製品について、無線機能(Bluetooth、Wi-Fi)があるかどうかも控えておく(そちらは別の制度の話になります)

1. 販売の条件として法律に書かれている

根拠は電気用品安全法の第二十七条です。条文は「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。」と定めています。表示が付いていないものは、売ることも、売る目的で並べることもできない、という構成です。

ここで重要なのは、義務の名宛人が「製造、輸入又は販売の事業を行う者」である点です。買う側に課された義務ではありません。ただし、表示のない製品が流通しているということは、その事業者が同条の条件を満たしていないということであり、買う側にとっては、その製品がどの検査も経ていない可能性を示す手がかりになります。

偽の表示も別に禁じられています。第十条第三項は「届出事業者がその届出に係る型式の電気用品について前二項の規定により表示を付する場合でなければ、何人も、電気用品に第一項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。」と定めています。紛らわしい表示も対象に含まれている、という書き方です。

輸入の定義にも押さえておくべき一文があります。第二条第五項は「この法律において、輸入する行為には、外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませ、一般消費者に引き取らせる行為が含まれるものとする。」としています。国外の事業者が日本の消費者に引き取らせる形も輸入に含まれる、という規定です。

2. マークだけでは足りない:省令が定める表示の中身

表示の方式は電気用品安全法施行規則の第十七条に定められています。条文は、表示すべき事項を2つに分けています。

令別表第一の上欄に掲げる特定電気用品については、「別表第六に規定する記号、届出事業者の氏名又は名称及び法第九条第二項に規定する証明書の交付を受けた検査機関の氏名又は名称」。令別表第二に掲げる電気用品については、「別表第七に規定する記号及び届出事業者の氏名又は名称」です。

つまり記号(マーク)は表示すべき事項の一部にすぎません。どちらの区分でも、届出事業者の氏名または名称が必ず伴います。特定電気用品ではさらに、検査機関の名称まで付きます。購入前の確認として使えるのはここです。マークらしき図形があっても、事業者名がどこにも見当たらない製品は、この方式を満たしていません。

なお、記号そのものの図形は別表第六・別表第七に図として定められています。当サイトは条文の本文を読んでおり、図の内容をここで再現していません。形状の説明は行いませんが、確認の実務としては「マークと事業者名がセットで表示されているか」で足ります。

略称や登録商標を使える場合もあります。第十七条第二項は、経済産業大臣の承認を受けた略称、または届け出た登録商標を用いることができると定めています。見慣れない略号が併記されていること自体は、直ちに不備を意味しません。

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2. マークだけでは足りない:省令が定める表示の中身
区分表示すべき事項(施行規則第十七条)確認の勘どころ
特定電気用品(令別表第一の上欄)別表第六に規定する記号、届出事業者の氏名又は名称、証明書の交付を受けた検査機関の氏名又は名称事業者名に加えて検査機関名まであるか
特定電気用品以外の電気用品(令別表第二)別表第七に規定する記号、届出事業者の氏名又は名称記号と事業者名がセットになっているか
略称・登録商標を使う場合経済産業大臣の承認を受けた略称、または届け出た登録商標を用いることができる(同条第二項)見慣れない略号があること自体は不備を意味しない

3. 特定電気用品とそれ以外で、事業者が通る手続きが違う

区分の意味も法律に書かれています。第二条第二項は、特定電気用品を「構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であつて、政令で定めるもの」と定義しています。危険の度合いに応じた区分です。

手続きの差は第九条です。届出事業者は、製造または輸入する電気用品が特定電気用品である場合、「当該特定電気用品を販売する時までに」、経済産業大臣の登録を受けた者による適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存しなければならない、と定められています。第三者の検査が販売前に要求されるのは、この区分だけです。

特定電気用品でない電気用品には、この第三者検査の義務が条文上ありません。だからこそ、表示に検査機関名が現れるかどうかが区分の見分け方にもなります。

どの品目がどちらに入るかは政令(電気用品安全法施行令)の別表で決まります。第一条は、法第二条第一項の電気用品を「別表第一の上欄及び別表第二に掲げるとおりとする。」と定め、第二条は「法第二条第二項の特定電気用品は、別表第一の上欄に掲げるとおりとする。」と定めています。買おうとしている品目がそもそも電気用品なのかは、この別表を引く話になります。

4. モバイルバッテリーは、条件付きで対象になる

よく聞かれるのがモバイルバッテリーです。政令の別表第二には、リチウムイオン蓄電池が挙げられています。ただし無条件ではありません。条文は「リチウムイオン蓄電池(単電池一個当たりの体積エネルギー密度が四〇〇ワット時毎リットル以上のものに限り、自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のものを除く。)」と書かれています。

読み取れるのは3点です。第1に、対象は単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400 Wh/L以上のものに限られます。第2に、自動車用・原動機付自転車用・医療用機械器具用・産業用機械器具用は除かれます。第3に、これは別表第二の項目なので、特定電気用品ではありません。つまり第九条の第三者検査は条文上求められず、表示は記号と届出事業者名の組み合わせになります。

当サイトが確認できないことも書いておきます。手元の製品の単電池の体積エネルギー密度が400 Wh/L以上かどうかを、購入者が製品ページから判定する方法はありません。したがって「この製品は対象か」を買う側が自力で確定させるのは困難です。実務的には、表示があるかどうかを見るほうが早く、確実です。

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4. モバイルバッテリーは、条件付きで対象になる
よくある思い込み条文が実際に書いていること
モバイルバッテリーはすべてPSEの対象政令別表第二のリチウムイオン蓄電池は、単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400 Wh/L以上のものに限られ、自動車用・原動機付自転車用・医療用機械器具用・産業用機械器具用は除かれる
マークがあれば適法施行規則第十七条は記号に加えて届出事業者の氏名又は名称を求めており、特定電気用品では検査機関名も伴う
買う側が違法になる第二十七条の名宛人は製造・輸入・販売の事業を行う者。買う側の義務としては書かれていない
海外の出品者からの個人輸入なら法律の外第二条第五項は、外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませ、一般消費者に引き取らせる行為を輸入に含めている

5. 技適マークとは別の制度。購入前の確認手順

当サイトには、海外通販の無線機器について技適マークを扱った記事があります。混同しやすいので区別を明示します。技適は電波法の制度で、無線を出す機器が対象です。PSEは電気用品安全法の制度で、電気用品としての安全が対象です。根拠法が違うため、一方があれば他方も満たされる、という関係にはありません。Bluetoothマウスの充電器のように、両方が関係する製品もあります。

購入前の確認は次の順番が実際的です。第1に、製品ページの写真や仕様欄に、マークと事業者名の表示があるかを見る。第2に、表示が見当たらない場合、出品者に本体の表示部の写真を求める。第3に、届いた実物でも同じ表示を確認する。第4に、表示がない場合、それは第二十七条が売り手に課している条件を満たしていない製品だということになります。

この記事は条文を読んで整理したものであり、法的助言ではありません。個別の製品が適法かどうかの判断も行いません。なお、所管官庁である経済産業省の解説ページは、当サイトからの取得が拒否されたため参照していません。引用しているのはすべてe-Gov法令検索が提供する法令本文です。

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5. 技適マークとは別の制度。購入前の確認手順
制度根拠法対象当サイトの記事
PSE(電気用品の表示)電気用品安全法政令の別表に掲げられた電気用品この記事
技適マーク電波法電波を発する無線設備技適マークの記事で扱っています

注意点・利用条件

  • この記事は法令の条文を読んで整理したものであり、法的助言ではありません。個別の製品や取引が適法かどうかの判断は行っていません。
  • 所管官庁である経済産業省の解説ページは、当サイトからの取得が拒否された(HTTP 403)ため参照していません。引用しているのはe-Gov法令検索が提供する法令本文のみです。
  • 記号(マーク)そのものの図形は施行規則の別表第六・別表第七に図として定められています。当サイトは図の内容を再現しておらず、形状の説明も行っていません。
  • 品目が電気用品に当たるかどうかは政令の別表で決まります。この記事は別表全体を掲載していません。個別の品目は条文を直接確認してください。
  • モバイルバッテリーについて、単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400 Wh/L以上かどうかを購入者が製品ページから判定する方法を、当サイトは確認できていません。
  • 法令は改正されます。引用した条文は2026-09-20にe-Gov法令APIから取得した時点のものです。

よくある質問

PSEマークがない製品を買うと、買った側が罰せられますか。

第二十七条が名宛人としているのは「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者」であり、条文上、買う側の義務としては書かれていません。ただし表示がないということは、売り手がその条件を満たしていないということです。この記事は法的助言ではありませんので、具体的な判断は専門家に確認してください。

マークは付いています。それで十分ですか。

施行規則第十七条は、記号に加えて届出事業者の氏名又は名称を表示すべき事項としています。特定電気用品の場合は、さらに証明書の交付を受けた検査機関の氏名又は名称が加わります。マークだけで事業者名がどこにもない製品は、この方式を満たしていません。

特定電気用品とそれ以外で、何が違うのですか。

第二条第二項は特定電気用品を、構造や使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品で政令で定めるもの、と定義しています。手続き面の違いは第九条で、特定電気用品については販売する時までに、経済産業大臣の登録を受けた者による適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存しなければならないとされています。

モバイルバッテリーは全部対象ですか。

政令の別表第二に挙げられているのは、単電池一個当たりの体積エネルギー密度が四〇〇ワット時毎リットル以上のリチウムイオン蓄電池で、自動車用・原動機付自転車用・医療用機械器具用・産業用機械器具用は除かれています。条件付きということです。なお別表第二の項目なので特定電気用品ではありません。

技適マークがあるからPSEも大丈夫ですよね。

別の制度です。技適は電波法に基づく無線設備の制度、PSEは電気用品安全法に基づく電気用品の制度で、根拠法が異なります。一方の表示があることから他方を満たしていると判断することはできません。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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