メカニカルキーボードの軸の選び方:赤軸・茶軸・青軸の荷重と音、ホットスワップで交換できるスイッチを確認
キーボードの「軸」は、押し心地の種類(リニア・タクタイル・クリック)と、押す力(作動荷重)、反応する深さ(作動点)で選びます。CHERRY MX2Aの仕様では、赤軸は45cN・作動点2.0mmのリニア、茶軸は55cNのタクタイル、青軸は60cN・作動点2.2mmでクリック音あり、静音赤軸は45cNで総ストロークが3.7mmと短く、打鍵音を抑える構造です。後から軸を替えたい場合は、ホットスワップ対応であること、対応するピン数、通常の高さのMXスタイルかロープロファイルかを購入前に確認します。
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この記事が役立つ人・作業前の準備
- 赤軸・茶軸・青軸などの表記を見て、自分の使い方にどれが合うかを仕様の数字で比べたい人
- ホットスワップ対応のキーボードを買い、別売りのスイッチに交換できるかを購入前に確かめたい人
用意するもの
- 候補のキーボードの型番と、ホットスワップ対応版かどうかが分かる製品ページ
- 候補のスイッチの仕様(押し心地の種類、作動荷重、作動点、総ストローク、ピン数、通常の高さかロープロファイルか)
1. 軸の種類と仕様の数字(CHERRY MX2Aの例)
スイッチの押し心地は、途中で引っかかりがなくまっすぐ押し込めるリニア、途中に押した位置が分かる手応えがあるタクタイル、手応えに加えてクリック音が鳴るクリックの3種類に分けられます。軸の色の呼び方はメーカーごとに異なるため、色だけでなく仕様表の種類と数字を見ます。
下の表はCHERRYの製品ページに記載されたMX2Aシリーズ4種類の仕様です。作動荷重は入力に必要な力、作動点(プレトラベル)は入力が認識されるまでの押し込み量、総ストロークはキーが底に着くまでの距離です。数字はこのメーカーの値で、他社の同じ色の軸が同じ値とは限りません。
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| スイッチ | 押し心地 | 作動荷重 | 作動点 | 総ストローク | メーカー記載の耐久 |
|---|---|---|---|---|---|
| MX2A RED(赤軸) | リニア、クリック音なし | 45cN | 2.0mm | 4.0mm | 1億回以上 |
| MX2A SILENT RED(静音赤軸) | リニア、打鍵音を抑える構造 | 45cN | 1.9mm | 3.7mm | 5,000万回以上 |
| MX2A BROWN(茶軸) | タクタイル、クリック音なし | 55cN | 2.0mm | 4.0mm | 1億回以上 |
| MX2A BLUE(青軸) | タクタイル、クリック音あり | 60cN | 2.2mm | 4.0mm | 5,000万回以上 |
2. 使い方から候補を絞る
押し心地の好みは人によって違い、仕様の数字だけで合う・合わないは決まりません。ここでは、使う場所や重視することから、仕様表のどの項目を優先して見るかを整理します。
CHERRYは静音赤軸について、動作音を独自の緩衝構造で抑えていると説明しています。一方、青軸はクリックによる音のフィードバックがある軸として紹介されています。周囲に人がいる場所や通話中に使うなら、クリック音の有無を最初に確認します。
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| 重視すること | 候補になる特性 | 仕様表で見る項目 |
|---|---|---|
| 職場や通話中など、音を抑えたい | クリック音なし。さらに抑えるなら静音をうたう軸 | 「クリックなし(no click)」「静音(silent)」の記載 |
| 長時間の入力で軽く押したい | 作動荷重が小さい軸(表では45cN) | 作動荷重(cN/gf) |
| 押した位置を指で感じたい | タクタイル | 押し心地の種類(tactile)と作動荷重 |
| 手応えと音の両方がほしい | クリック。周囲に音が聞こえる前提で選ぶ | 「クリックあり(with click)」の記載 |
| キーの押し込みを浅くしたい | 総ストロークが短い軸、またはロープロファイルのキーボード | 総ストローク。ロープロファイルは3章の互換性も確認 |
- 使う場所(自宅・職場・通話の有無)から、クリック音ありの軸を候補に入れるかを決めます。
- 候補の軸の作動荷重と作動点を仕様表で比べ、同じメーカーの赤軸・茶軸などと数字で比較します。
- ホットスワップ対応のキーボードなら、合わなかったときに別の軸へ交換できるため、3章の互換性を確認してから選びます。
3. ホットスワップで交換できるスイッチの条件
ホットスワップ対応のキーボードは、基板にスイッチを差し込むソケットがあり、はんだ付けをせずにスイッチプラーで抜いて差し替えられます。Keychronは、非ホットスワップ版のモデルでスイッチを替えるにははんだ付けが必要だと案内しています。同じシリーズ名でもホットスワップ版と非対応版が分かれている場合があるため、型番やバージョンまで確認します。
KeychronのK2(ホットスワップ版)の製品ページでは、ソケットは市販のMXスタイルの3ピン・5ピンのスイッチの「ほぼすべて」(Gateron、Cherry、Kailhなど)に対応すると書かれています。すべてを保証する表現ではないため、特殊な形状のスイッチはメーカーの対応表を確認します。また、ロープロファイルのGateronスイッチを使うキーボードは通常のMXスタイルのスイッチに対応せず、ロープロファイルの光学スイッチのキーボードはGateron Low Profile 2.0(メカニカル)に対応しないとされています。
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| 確認項目 | 交換できる条件の例 | 条件を満たさない場合 |
|---|---|---|
| ホットスワップ対応か | 製品名や仕様に「Hot-swappable」と書かれた版 | スイッチ交換にははんだ付けが必要 |
| ピン数 | 3ピン・5ピンの両方に対応と記載(Keychron K2 ホットスワップ版の例) | 記載と違うピン数のスイッチは、購入前にキーボードのメーカーへ確認する |
| スイッチの高さと形状 | キーボードと同じ規格(通常の高さのMXスタイル同士、ロープロファイルは指定のもの) | Keychronはロープロファイル(Gateronメカニカル)のキーボードに通常のMXスタイルは使えないと記載。他社製品はメーカーの対応表で確認 |
| 同じロープロファイルでも方式が合うか | キーボードの対応表にある方式(メカニカル/光学) | ロープロファイルの光学スイッチのキーボードにGateron Low Profile 2.0(メカニカル)は使えない |
| バックライトの見え方 | SMD-LED対応のスイッチ(Keychronが光を見せやすいと案内) | バックライトの見え方が変わる場合がある |
4. 購入前と交換後に確認すること
スイッチはキーボードの台数分だけでなく、使うキーの数だけ必要です。まとめて買う前に、キーボードの型番とバージョン、対応するピン数と高さを確認します。
交換後は、差し込みが浅い、ピンが曲がったなどでキーが反応しないことがあります。すべてのキーを押して入力を確かめ、反応しないキーは抜いてピンの状態を見てから差し直します。
- キーボードの製品ページで、ホットスワップ対応版であること、対応するピン数(3ピン/5ピン)、通常の高さかロープロファイルかを確認します。
- 交換したいスイッチの仕様で、ピン数・高さ(MXスタイルかロープロファイルか)・メカニカルか光学かがキーボードの対応と一致するかを確認します。
- キーボードをPCから外し、ワイヤレスモデルは電源を切ってから、キーキャップを外し、付属または対応するスイッチプラーでスイッチを垂直に抜きます。
- 新しいスイッチのピンが曲がっていないことを確かめ、向きを合わせてまっすぐ差し込みます。
- PCにつなぎ、メモ帳などで交換したすべてのキーが1回の押下で1文字入力されるかを確認します。反応しないキーは抜いてピンを確認し、差し直します。
注意点・利用条件
- 作動荷重などの数字はメーカーごとの測定・表記です。同じ「赤軸」でも他社の製品は値が異なるため、各メーカーの仕様表で比べてください。
- ホットスワップ対応でも、すべてのスイッチが使えるとは限りません。ロープロファイル・光学スイッチのように方式が違うものは、キーボードの対応表にあるものを選びます。
- ピンが曲がったまま押し込むと、スイッチやソケットを傷めるおそれがあります。差し込みが固いときは無理に押さず、ピンの向きと曲がりを確認します。
よくある質問
赤軸と静音赤軸は何が違いますか?
CHERRY MX2Aの仕様では、どちらもリニアで作動荷重は45cNです。静音赤軸は作動点1.9mm、総ストローク3.7mmと赤軸(2.0mm/4.0mm)より短く、動作音を抑える緩衝構造があります。メーカー記載の耐久回数は赤軸が1億回以上、静音赤軸が5,000万回以上です。
ホットスワップ対応なら、どのメーカーのスイッチでも使えますか?
通常の高さのMXスタイルなら対応する製品が多く、Keychron K2(ホットスワップ版)は3ピン・5ピンの市販スイッチのほぼすべてに対応するとしています。ただしKeychronは、ロープロファイル(Gateronメカニカル)のキーボードは通常のMXスタイルに対応せず、ロープロファイルの光学スイッチのキーボードはGateron Low Profile 2.0に対応しないとしています。「ほぼすべて」は全製品の保証ではないため、キーボードのメーカーの対応表を確認します。
非ホットスワップのキーボードでも軸を替えられますか?
Keychronは、非ホットスワップ版のモデルでスイッチを替えるにははんだ付けが必要だと案内しています。はんだ付けには基板やスイッチを傷めるおそれがあり、1個ずつ外して付け直す手間もかかるため、軸を替える予定があるならホットスワップ対応版を選びます。
青軸はどんな場合に避けたほうがよいですか?
CHERRYはMX2A BLUEをクリックによる音のフィードバックがある軸として紹介しています。職場、通話やオンライン会議、同じ部屋に人がいる場所では音が周囲に聞こえる前提になるため、音を抑えたいならクリックなしの軸を候補にします。
出典・確認日
情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。