2台目のSSDをDev Driveにするか:作成時にしか決められない条件と、セキュリティの引き換え
2台目のSSDを足すとき、開発作業に使うつもりなら、Windows 11のDev Driveという選択肢があります。ReFSを土台にした開発者向けのボリュームで、ウイルス対策の扱いを含めた設定を利用者側で制御できる点が普通のボリュームと違います。ただし大きな制約が1つあり、既存のボリュームは変換できません。Dev Driveの指定はフォーマット時にしか行えない、とMicrosoftが明記しています。この記事は2026-09-21にMicrosoftのページを読み、前提条件、作成方法の違い、そしてセキュリティ面の引き換えを整理します。速度の実測は行っていません。
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この記事が役立つ人・作業前の準備
- 2台目のSSDを買う予定があり、開発用に分けるかどうかを決めたい人
- Dev Driveという項目を設定画面で見かけて、普通のボリュームとの違いを知りたい人
- Dev Driveのセキュリティ上の位置づけを、有効にする前に確認したい人
用意するもの
- Windowsのバージョンとビルドを確認する(設定 > システム > バージョン情報、または winver)
- 搭載メモリ容量と、対象ドライブの空き容量を確認する
- 管理者権限でサインインできることを確認する
1. Dev Driveとは何で、何が普通のボリュームと違うのか
Microsoftのページは冒頭でこう定義しています。Dev Drive is a new form of storage volume available to improve performance for key developer workloads. Dev Drive builds on ReFS technology to employ targeted file system optimizations and provide more control over storage volume settings and security, including trust designation, antivirus configuration, and administrative control over what filters are attached.(原文は英語、訳は当サイトによるものです)
ReFSを土台にしたボリュームで、ファイルシステム側の最適化に加えて、信頼の指定、ウイルス対策の構成、どのフィルターを取り付けるかの管理を制御できる、という位置づけです。ここが普通のNTFSボリュームとの違いです。
用途についての線引きも明確です。Dev Drive is intended only for key developer scenarios という警告が置かれており、汎用の高速ボリュームとして勧められているわけではありません。当サイトも、動画編集や写真管理を速くする目的で勧めることはしません。
2. 作成時にしか決められない
この記事が「買う前の判断」として成立する理由が、次の一文です。Existing storage volumes cannot be converted to be a Dev Drive. The Dev Drive designation happens only at the original format time.
既存のボリュームはDev Driveに変換できず、指定はもとのフォーマット時にだけ行われる、という記載です。つまり、いま使っているSSDのデータを残したまま切り替えることはできません。2台目を足す、あるいは空き領域を切り出す、という計画の段階で決める項目になります。
前提条件も同じページに列挙されています。下の表はその内容です。
表は横にスクロールできます →
| 前提条件 | Microsoftの記載 |
|---|---|
| Windowsのバージョン | Windows 11、ビルド #10.0.22621.2338 以降 |
| メモリ | 16 GBを推奨(最小 8 GB) |
| 空き容量 | 最小 50 GB |
| エディション | すべてのWindows SKUで利用可能 |
| 権限 | ローカル管理者権限 |
| 組織管理下の環境 | セキュリティ管理者がDev Driveのセキュリティポリシーを構成する必要がある |
3. パーティションにするか、VHDにするか
作成時には3つの選択肢が示されます。新しいVHDを作る、既存のボリュームを縮小して未割り当て領域を作る、すでにある未割り当て領域を使う、の3つです。実質的な判断は、物理ディスク上のパーティションにするか、仮想ハードディスク(VHD)にするかです。
Microsoftはそれぞれの利点と引き換えを書いています。パーティションは、追加の層を介さず物理ディスクを直接使うため一般に速い一方、サイズ変更が複雑でリスクがあり、物理ディスクに結びつくため可搬性が低い、とされています。VHDは仮想ディスク層の管理分だけ性能がわずかに落ちる可能性がある一方、サイズ変更・移動・バックアップの柔軟性が高く、可搬性も高い、とされています。
1つ注意書きがあります。VHDを固定ディスク(HDDまたはSSD)上に置いている場合、そのVHDをコピーして別のマシンへ移し、そのままDev Driveとして使い続けることは推奨されない、と書かれています。可搬性が高いことと、そういう使い方が推奨されることは別だ、ということです。
VHDを選ぶ場合のサイズの下限も示されています。仮想ハードディスクのサイズについて、最小は 50 GB と書かれています。置き場所については、意図しない共有を避けるため、利用者ごとのディレクトリを使うことが推奨されています。
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| 選ぶもの | Microsoftが挙げる利点 | Microsoftが挙げる引き換え |
|---|---|---|
| ディスクのパーティション | 追加の層を介さず物理ディスクを直接使うため、一般により速い | サイズ変更が複雑でリスクがあり、物理ディスクに結びつくため可搬性が低い |
| 新しいVHD | サイズ変更・移動・バックアップの柔軟性が高く、可搬性が高い | 仮想ディスク層の管理分だけ性能がわずかに落ちる可能性がある |
4. 速さと引き換えにしているもの
ここがこの記事で最も重要な節です。Dev Driveの性能は、セキュリティの設定を利用者側に委ねることと引き換えになっています。Microsoftははっきりそう書いています。Typically, there is a tradeoff between performance and security. Using a Dev Drive places control over this balance in the hands of developers and security administrators.
既定の状態は次のとおりです。Antivirus filters, including both Microsoft Defender and 3rd-party antivirus filters, are attached to a Dev Drive by default. つまり既定でウイルス対策のフィルターは取り付けられています。そのうえで、Microsoft Defender AntivirusはDev Drive上では新しい performance mode という設定を既定とし、速度と性能を考慮しつつ、フォルダーの除外に代わる安全な選択肢を提供する、と書かれています。より高い保護としては Real-time protection mode も用意されています。
「信頼された(trusted)」という言葉の意味も定義されています。Dev Driveはもとのフォーマット時にシステムレジストリのフラグによって自動的に信頼済みと指定され、既定で最良の性能が得られる。信頼済みとは、そのボリュームを使う開発者が、そこに保存される内容の安全性に高い確信を持っているという意味である、という説明です。Windowsセキュリティで除外を追加する場合と同様に、開発者が内容の安全管理の責任を引き受ける、とも書かれています。
そして警告があります。Dev Drives can be run with no antivirus filters attached. Exercise extreme caution! フィルターを外して動かすこともできるが、極めて慎重に、という記載で、外すことはセキュリティ上のリスクであり、標準のセキュリティスキャンの対象外になる、と続きます。Microsoftは、信頼されたDev Driveを使う場合は既定の performance mode 設定を使うことを推奨しています。当サイトも、フィルターを外す手順は案内しません。
もう1つ実務上の注意として、追加のフィルターを必要とする製品や機能は、そのフィルターをDev Driveに追加しない限り動作しない、と書かれています。バックアップソフトや監視系のツールを使っている場合、ここが効く可能性があります。
5. 2台目のSSDをどう分けるか
ここまでを購入判断に翻訳します。下の表は、用途と、Dev Driveが当てはまるかの対応です。
この記事は速度の測定をしていません。Microsoftのページは平均的な改善幅についてブログ記事を参照先として挙げていますが、当サイトはその数値を引用しません。自分の環境での効果は、実際に作って計るしかありません。
表は横にスクロールできます →
| 2台目のSSDの用途 | Dev Driveが当てはまるか | 理由 |
|---|---|---|
| ソースコード、パッケージキャッシュ、ビルド出力 | 当てはまる | Microsoftが対象として挙げている開発者向けの用途です |
| ゲームのインストール先 | 当てはまらない | ページは開発者シナリオ向けと明記しています。汎用の高速ボリュームではありません |
| 写真・動画・書類の保管 | 当てはまらない | 同上。加えて、信頼の指定はそのボリュームの内容に責任を持つという意味です |
| いま使っているSSDを変換したい | できない | 既存ボリュームは変換できず、指定はフォーマット時のみ、と明記されています |
| 会社支給のPCで試したい | 確認が必要 | 組織の環境では、セキュリティ管理者がDev Driveのセキュリティポリシーを構成する必要があると書かれています |
注意点・利用条件
- 既存のボリュームはDev Driveに変換できません。フォーマットを伴う操作になるため、対象のドライブに残したいデータがないことを必ず確認してください。
- ウイルス対策フィルターを外す手順は案内しません。Microsoft自身が極めて慎重にと警告し、標準のセキュリティスキャンの対象外になると書いています。
- 追加のフィルターを必要とする製品や機能は、そのフィルターを追加しない限りDev Drive上で動作しない、と書かれています。バックアップや監視のソフトを使っている場合は先に確認してください。
- 引用した記載は2026-09-21に閲覧したものです。前提条件のビルド番号は改訂される可能性があります。
よくある質問
いま使っているSSDをDev Driveに変えられますか。
できません。Microsoftは、既存のストレージボリュームはDev Driveに変換できず、Dev Driveの指定はもとのフォーマット時にのみ行われると明記しています。2台目を足すか、空き領域を切り出す計画の段階で決める項目です。
Dev Driveにすると何でも速くなりますか。
そうは書かれていません。ページはDev Driveを主要な開発者シナリオ向けと位置づけており、汎用の高速ボリュームとしては案内していません。当サイトは速度を測定していないため、数値も示しません。
ウイルス対策は無効になるのですか。
既定では無効になりません。Microsoft Defenderと他社製を含むウイルス対策フィルターは既定で取り付けられ、Microsoft Defender AntivirusはDev Drive上で performance mode を既定とする、と書かれています。フィルターを外すことも可能ですが、極めて慎重にという警告が付いています。
パーティションとVHDはどちらがよいですか。
Microsoftは両方の利点と引き換えを示しています。パーティションは追加の層がないぶん一般に速いがサイズ変更が複雑で可搬性が低い、VHDは柔軟で可搬性が高いが仮想ディスク層の分だけ性能がわずかに落ちる可能性がある、という書き方です。用途で選びます。
最低どれくらいの容量が要りますか。
前提条件として最小 50 GB の空き容量が挙げられており、VHDを作る場合の最小サイズも 50 GB と書かれています。メモリは16 GBを推奨、最小8 GBです。
出典・確認日
情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。
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