比較・選び方 · Intel Core Ultra/Core プロセッサーの型番表記と末尾記号、AMD公式プロセッサー仕様データベースのDefault TDP・AMD Configurable TDP (cTDP) の項目

CPUの型番の読み方:Core Ultra・Coreの末尾記号と、同じ型番でも性能が変わる理由

ノートPCやデスクトップの仕様表に並ぶCPU名は、ブランド階層・世代・末尾記号という3つの情報が1行にまとまったものです。Intelは公式の「プロセッサー・ナンバー」ページで、Core Ultraを9/7/5、Coreを7/5/3の階層として示し、末尾記号ごとに短い定義文を与えています。一方AMDの公式仕様データベースには、Default TDPとAMD Configurable TDP (cTDP) が別々の項目として存在し、たとえばRyzen AI 7 350はDefault TDPが28W、cTDPが15〜54Wと公開されています。つまり同じ型番でも、PCメーカーが設定できる電力枠の幅は公式に定義されており、型番だけでは性能が決まりません。この記事は型番の文法の読み方と、仕様データベースで追加確認すべき項目を示します。個別製品の性能比較や順位づけは行いません。

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CPUの型番の読み方:Core Ultra・Coreの末尾記号と、同じ型番でも性能が変わる理由の流れ:1. CPU名は「階層・世代・末尾記号」の3つに分解して読む、2. 末尾記号の一覧(Intelの公式定義文)、3. 同じ型番でも性能が揃わない:公式仕様にある2つの電力欄、4. 型番の隣で見るべき4項目、5. 買う前の確認手順、6. この記事が扱わないこと
この記事の手順・確認項目の一覧。実際のアプリ画面ではありません。

この記事が役立つ人・作業前の準備

  • ノートPCの仕様表にあるCPU名の数字と末尾のアルファベットが何を意味するのか知りたい人
  • 同じCPU名の別機種でレビューの評価が食い違う理由を知りたい人
  • デスクトップ用CPUを買うときに、末尾Fのような購入事故を避けたい人

用意するもの

  • 候補機種の仕様表からCPU名を正確に書き写す(末尾のアルファベットまで含める)
  • 同じ仕様表に電力の欄(Base Power、TDP、最大消費電力など)があるかどうかを見ておく
  • デスクトップ自作なら、グラフィックスカードを別に用意するかどうかを決めておく

1. CPU名は「階層・世代・末尾記号」の3つに分解して読む

仕様表のCPU名は、ブランドと階層を表す部分、世代や連番を表す数字、そして用途の方向を表す末尾のアルファベットに分けられます。どこが階層でどこが世代かはメーカーによって位置が違うので、他社の型番の読み方をそのまま当てはめると間違えます。

Intelの公式ページ「Intel プロセッサー・ナンバー」は、Core Ultraのブランド階層を「インテル® Core™ Ultra 9 プロセッサー、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー、インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー」、Coreのブランド階層を「インテル® Core™ 7 プロセッサー、インテル® Core™ 5 プロセッサー、インテル® Core™ 3 プロセッサー」として示しています(2026-09-20閲覧)。

世代については同じページが「インテル® Core™ Ultra プロセッサーには SKU 番号 1 または 2 が付いていて、それぞれ世代を表しています。」と記載しています。したがって観察日時点では、Core Ultraの型番の先頭側にある1と2が世代を表す番号として説明されていました。将来この一覧に番号が追加される可能性はあるので、当サイトは「今後もこの2つだけ」とは書きません。同ページは続けて「インテル® Core™ Ultra モバイル・プロセッサーには、H、U、V というサフィックスがあります。」「インテル® Core™ Ultra デスクトップ・プロセッサーには、K、F、KF、T というサフィックスがあります。」とも述べています。

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1. CPU名は「階層・世代・末尾記号」の3つに分解して読む
読む場所Intelの公式ページに書かれていること(2026-09-20閲覧)読者にとっての意味
ブランドと階層(Core Ultra)Core Ultra 9/Core Ultra 7/Core Ultra 5 の3段同じ世代・同じ末尾記号どうしなら、数字が大きいほど上位に位置づけられた製品
ブランドと階層(Core)Core 7/Core 5/Core 3 の3段Ultraが付かない系列。階層の数字の意味は同じだが別の系列として扱う
世代(Core Ultra)「SKU 番号 1 または 2 が付いていて、それぞれ世代を表しています」階層の数字と世代の数字は別物。Core Ultra 7 同士でも世代が違えば別物
末尾記号デスクトップとモバイルで別の一覧が与えられている(次章の表)設計上どの方向に振った製品かを示す。実測性能の保証ではない

2. 末尾記号の一覧(Intelの公式定義文)

下の表は、Intelのプロセッサー・ナンバーのページに掲載されている末尾記号と、そこに与えられている定義文をまとめたものです。日本語欄は同ページの日本語版の表記、英語欄は英語版の表記です。当サイトの言い換えではありません。

購入事故が最も起きやすいのはデスクトップのFです。Intelはこれを「ディスクリート・グラフィックスが必要」と定義しています。つまりF付きのCPUを単体で組むと、別途グラフィックスカードを用意しない限り画面が出ません。KFについては、サフィックスの表に独立した行はありませんが、本文が「インテル® Core™ Ultra デスクトップ・プロセッサーには、K、F、KF、T というサフィックスがあります。」としてKとFの組み合わせを挙げています。

2つ断っておきます。1つは、同じ表にはエンベデッド向けのサフィックス(E、UE、HE、UL、HL)も載っていますが、一般の購入判断には関わらないのでここでは省いています。もう1つはVです。本文はCore Ultraモバイルのサフィックスとして H、U、V を挙げていますが、サフィックスの表にVの行は見当たりませんでした。つまり存在は示されているものの、この表では定義文が与えられていません。当サイトは定義文が無い記号に意味を補うことはしないので、V付きの型番はメーカーの製品仕様ページで直接引いてください。

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2. 末尾記号の一覧(Intelの公式定義文)
末尾対象Intelの定義文(日本語版の表記)買うときに効いてくる点
Kデスクトップ高パフォーマンス、アンロックオーバークロック前提の製品。電源と冷却の要求が大きくなりやすい
Fデスクトップディスクリート・グラフィックスが必要グラフィックスカードを別に買わないと映像が出ない
Sデスクトップスペシャル・エディション一覧上の位置づけのみ。具体的な差は個別の仕様ページで確認する
Tデスクトップ消費電力を重視したライフスタイル省電力・小型筐体向け。性能を期待しすぎない
HXモバイル最高のパフォーマンス、全SKU解除大型のゲーミング/ワークステーション機に載る系統
HKモバイル最高のパフォーマンス、全SKU解除HXと同じ定義文が与えられている
Hモバイル最高のパフォーマンス性能重視のノート。筐体の冷却能力に結果が左右される
Pモバイル薄型軽量ノートブック PC 向けに最適化薄型機で性能側に寄せた区分
Uモバイル省エネ薄型・長時間駆動重視。重い処理を前提にしない
Yモバイル非常に省エネさらに低消費電力側の区分
G1〜G7モバイルグラフィックス・レベル (新しい統合グラフィックス・テクノロジー搭載のプロセッサー)数字が内蔵グラフィックスの水準を示す。性能の絶対値ではない

3. 同じ型番でも性能が揃わない:公式仕様にある2つの電力欄

「同じCPUなのにノートによって速さが違う」という話には、メーカー公式の裏づけがあります。AMDの公式プロセッサー仕様データベースには、Default TDP と AMD Configurable TDP (cTDP) という2つの別項目が用意されており、後者は機器メーカーが設定できる電力枠の範囲として公開されています。

下の表は、そのデータベースに掲載されている値をそのまま引いたものです(2026-09-20にページを取得して確認)。たとえばRyzen AI 7 350はDefault TDPが28Wですが、cTDPは15〜54Wです。つまり同じ型番でも、15W設定の薄型機と54W設定の厚い機種では、メーカーが与えている電力枠が3倍以上違います。

注意してほしいのは、これは「何W設定なら何%速い」という話ではない点です。当サイトはベンチマークを実施しておらず、電力枠と実性能の対応関係を数値で示すことはしません。ここで言えるのは、電力枠そのものが型番では決まらないという、仕様データベースが示している事実だけです。

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3. 同じ型番でも性能が揃わない:公式仕様にある2つの電力欄
型番(AMD公式仕様データベースの表記)Default TDPAMD Configurable TDP (cTDP)Graphics Model
AMD Ryzen AI 7 35028 W15-54 WAMD Radeon 860M
AMD Ryzen AI 5 34028 W15-54 WAMD Radeon 840M
AMD Ryzen AI 5 33028 W15-28 WAMD Radeon 820M
AMD Ryzen AI Max+ 39555 W45-120 WRadeon 8060S Graphics

4. 型番の隣で見るべき4項目

AMDの仕様データベースは、電力枠のほかにも購入判断に効く項目を型番ごとに持っています。前章で引いた表にも現れているとおり、内蔵グラフィックスの型番(Graphics Model)は同じ階層の製品どうしでも違うことがあります。Ryzen AI 5 340 と Ryzen AI 5 330 は、名前が一段しか違わないのに Radeon 840M と Radeon 820M で別物です。

つまり、階層の数字が近いことは、内蔵グラフィックスが同じであることを意味しません。映像出力の本数や、軽いゲームが動くかどうかはここで変わります。内蔵と外付けのどちらを使っているかの確認方法は、当サイトの「内蔵グラフィックスと外付けGPU」の記事にあります。

下の表は、型番を引いたあとに同じ仕様ページで見ておく項目です。どれも「型番から想像する」のではなく「データベースに書いてある値を読む」ことができる項目なので、候補機種を並べて比較するときの共通の軸になります。

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4. 型番の隣で見るべき4項目
見る項目なぜ購入判断に効くかどこで見るか
Default TDP と Configurable TDP (cTDP)同じ型番でも機器メーカーが設定できる電力枠が違うAMDの仕様データベースの該当欄。Intel側は製品仕様ページの電力欄
Graphics Model内蔵グラフィックスの世代・規模が変わる。階層の数字だけでは分からないAMDの仕様データベースのGraphics Model欄
末尾記号(F の有無)デスクトップでグラフィックスカードが別途必要になるかが決まるIntelのプロセッサー・ナンバーのページの定義文
ノート本体側の仕様同じCPUでも冷却と筐体で振る舞いが変わる。メモリ増設可否も本体側の話PCメーカーの機種別仕様表。当サイトのメモリ増設可否の記事も参照

5. 買う前の確認手順

手順は4つです。第一に、仕様表のCPU名を末尾記号まで含めて正確に書き写します。第二に、Intel製ならプロセッサー・ナンバーのページで末尾記号を引き、デスクトップのFに該当しないかを確かめます。第三に、AMD製なら公式仕様データベースで型番を検索し、Default TDPとcTDP、Graphics Modelを控えます。

第四に、そのPC本体の仕様表に電力枠の記載があるかを見ます。記載があればその値で他機種と比べられます。記載がなければ、同じ型番の他機種と同じ性能とは限らないという前提で判断することになります。ここで「分からないことが分かる」ことが、この手順の実用的な成果です。

候補が2機種以上あるときは、上の4項目を同じ形で書き出してから比べてください。CPU名だけを並べた比較表は、電力枠の違いを隠してしまうため、判断の材料としては不十分です。

6. この記事が扱わないこと

AMDの4桁型番について「1桁目が年、3桁目が世代」といった桁ごとの意味は、この記事では扱いません。AMD自身がその体系を解説していた記事は、確認した時点ではAMDのブログ一覧ページへ転送されており、内容を読むことができませんでした。一次情報が読めない以上、当サイトは桁の意味を断定しません。個別の型番は仕様データベースで引くのが確実です。

型番どうしの性能比(何%速いか)も扱いません。当サイトはベンチマークを実施しておらず、他者の測定結果を性能比として転載することもしません。価格・値下がり時期・在庫も同様に扱いません。

なお、Intelのプロセッサー・ナンバーのページは取得経路によって応答が変わりました。コマンドライン用のHTTPクライアントからはHTTP 403が返りましたが、別のクライアントからは英語版・日本語版ともHTTP 200で本文を取得できています。本文の記載はその取得結果から直接読み取ったものです。

注意点・利用条件

  • 末尾記号は、メーカーがその製品をどの方向に設計したかを示す表記です。実測性能や静音性を保証するものではありません。「H付きなら必ず速い」「U付きなら必ず静か」といった読み替えはできません。
  • デスクトップの末尾Fは「ディスクリート・グラフィックスが必要」とIntelが定義しています。グラフィックスカードを別に用意しないまま組むと映像が出ません。
  • 階層の数字(9/7/5)と世代の数字は別の軸です。Core i7とCore Ultra 7のどちらが上か、という問いは、世代とブランドの軸が混ざっているため、型番だけでは答えが出ません。
  • AMDの4桁型番の「桁ごとの意味」を解説したAMD自身の記事は、2026-09-20の時点で参照できませんでした。二次情報を根拠に桁の意味を判断しないでください。

よくある質問

Core i7 と Core Ultra 7 はどちらが上位ですか。

型番だけでは答えが出ません。7という数字はどちらも階層を表しますが、Core i シリーズと Core Ultra は別のブランド体系で、世代も異なります。比較したい2つの型番について、それぞれメーカーの製品仕様ページを開き、コア構成と電力欄を並べて見るのが確実です。当サイトは製品間の性能比を示しません。

同じ Core Ultra 7 のノートなのに、レビューによって評価が違うのはなぜですか。

機器メーカーが設定できる電力枠が型番で固定されていないことが一因として考えられます。AMD側ではDefault TDPとAMD Configurable TDP (cTDP) が別項目として公開されており、たとえばRyzen AI 7 350はcTDPが15〜54Wです。同じ型番でも枠の設定が違えば前提が違います。ただし冷却設計やメモリ構成など他の要因もあるため、原因を1つに断定することはできません。

末尾にFが付いたCPUを買ってしまいました。どうすればよいですか。

Intelの定義では「ディスクリート・グラフィックスが必要」なので、グラフィックスカードを別途用意すれば使えます。今どちらのグラフィックスに接続しているかの確認方法は、当サイトの「内蔵グラフィックスと外付けGPU」の記事にまとめています。

AMDの4桁型番は、桁ごとに意味があると聞きました。

AMD自身が型番体系を解説した記事を公開していた経緯はありますが、2026-09-20に確認した時点でその記事のURLはAMDのブログ一覧ページへ転送され、内容を読めませんでした。したがって当サイトは桁ごとの意味を提示しません。対象の型番をAMDの公式仕様データベースで検索し、そこに書かれている項目を直接読むことを勧めます。

出典・確認日

情報確認日:。仕様・操作方法・価格などの確認に使用した出典を掲載しています。適用条件や現在の情報は各リンク先で確認してください。

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